
15日も全国各地で、人がクマに襲われる被害が相次ぎました。北海道函館市の山では、狩猟中の男性ハンターが行方不明となっています。
15日も2人 クマに襲われる 各地で頻発する被害川を優雅に泳ぐクマ。15日正午すぎに山形県酒田市で発見されました。クマは山形県・庄内町でも。こうした人の生活圏に、昼夜問わず堂々と現れるクマ。
記者
「大きい通りから約1キロほど山あいにあるリンゴ園で、被害が起きました」
15日午前10時前、青森県弘前市のリンゴ園で休憩していた76歳の女性が背後からクマに襲われ、顔や腕などを負傷したということです。
また、15日朝5時すぎには、奈良県五條市で82歳の女性が自宅玄関を出たところ、ツキノワグマと鉢合わせになって襲われました。女性は重傷とみられています。
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こうした被害は各地で頻発していて、ここ1か月で少なくとも9人がクマに襲われ、死傷しています。
ライトを当てても微動だにしないクマ 「外にも出て歩けない」10日に北海道福島町に現れたクマは、ライトを当てても微動だにしない様子でした。同じ日、この近くでは草むらを走り去るクマも目撃されていました。
2日後の7月12日、新聞配達中だった佐藤研樹さん(52)がクマに襲われ、死亡しているのが見つかりました。
町民
「不安ですね。外にも出て歩けないし、早く駆除してほしい」
調査に当たった専門家チームは、大型のクマと小型のクマ、2種類の足跡が見つかったと説明しています。男性が襲われた現場の近くにも、クマは繰り返し出没。
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記者
「午前2時です。2時間半ほど前、再びスーパーのゴミ集積所が荒らされているのが見つかりました」
現場近くのスーパーのゴミ置き場が、14日の朝と夜、1日に2度クマに荒らされたのです。
函館市の山でハンター行方不明また、北海道函館市にある山で、15日シカ撃ちのために入山したハンターの柳原幸政さん(52)が夕方までに戻らず、行方不明になっているということです。警察と消防が捜索をおこなったところ、山中に柳原さんのものとみられる車がみつかり、そばに猟銃が落ちていたということです。
恵山の周辺では、6月からクマの目撃が相次いでいます。
7月6日、栃木県那須塩原市で庭の手入れ中にクマに襲われた男性は、当時の恐怖をこう語ります。
クマに襲われた男性
「何の前触れもなくばくっとおしりを噛まれて、『いや、痛い!』と思って見たらクマ」
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噛まれた臀部には、クマの牙の跡とみられる傷が残っています。この時期に市街地での出没が増えている理由について、専門家は...
酪農学園大学 佐藤喜和 教授
「(クマの)繁殖期の後半戦ということがひとつ。山の中にエサが少なくて、おなかのすいている季節の始まり。やはりクマがもともと人の生活圏に近い森で定着して、そこで繁殖して暮らしている状況ができあがっていることも関係している」
被害を減らすために有効なのが、目撃情報を確認した上で行動することです。
秋田県が公開しているクマの被害や目撃情報などをまとめた「クマダス」というサイトでは、北から南まで広範囲でクマが目撃されていることが分かり、ここ1か月の目撃情報や痕跡は900件以上にのぼっています。
また、北海道の「ひぐまっぷ」というサイトでも同様に、多くの被害・目撃情報があることがわかります。
佐藤喜和 教授
「市街地に繰り返し出没している地域では、早朝・夜間の外出はしない。極力、複数の人間で同時に行動するのが大事だと思います」