取材に応じる原子力規制委員会次期委員の神田玲子氏=16日午後、東京都港区 9月から原子力規制委員会の委員に就任する量子科学技術研究開発機構の神田玲子理事(63)が16日、報道陣の取材に応じ、「(1999年に起きた核燃料加工会社の)JCOの臨界事故や東京電力福島第1原発事故の経験を若い世代に引き継ぎたい」と抱負を述べた。
神田氏は放射線防護などが専門で、臨界事故時には被ばく者が受けた放射線量の評価に携わった。当時について「被ばくした人と直接接することもあった。体験した人でないと分からない心構えがあると思う」と振り返った。
福島第1原発事故については「多くの人が放射線による健康リスクに不安を抱いた」と話した上で、「不安に寄り添うことも研究者として持つべき心構えだ」と指摘。「規制委では事実やデータを基に科学的な判断をしていくが、そのプロセスに透明性を確保して伝えていきたい」と語った。
神田氏は16日付で規制委の非常勤参事に就任。引き継ぎなどを経て、9月19日に委員となる。