東京都江東区の青海コンテナ埠頭に積み上げられた貨物コンテナ(資料写真、AFP時事) 財務省が17日発表した6月の貿易統計速報(通関ベース)によると、米国向け輸出額は前年同月比11.4%減の1兆7071億円だった。減少は3カ月連続。トランプ米政権が追加関税を発動した自動車が大きく落ち込んだ。
自動車は輸出額が26.7%減となった一方、台数ベースでは3.4%増えた。各メーカーが追加関税のコストを自社で吸収し、米国内での値上げに備え価格を抑えて輸出している可能性がある。
対米輸出額は医薬品が40.9%、自動車部品は15.5%、それぞれ減少した。
世界全体での輸出額は米国向け自動車の減少が響き、0.5%減の9兆1626億円。輸入額はアイルランドからの医薬品や、中国からのスマートフォンなどが増え、0.2%増の9兆95億円だった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1531億円の黒字で、黒字は3カ月ぶり。
同時に発表した2025年上半期(1〜6月)の貿易収支は、総額で2兆2158億円の赤字だった。対米貿易収支は4兆1320億円の黒字で前年同期(3兆8901億円の黒字)から6.2%拡大。トランプ米大統領は巨額の貿易黒字を問題視し、高関税政策をとっている。