BUCK∞TICK、渋谷6Days公演でツアーファイナル 今井寿が語った異例の言葉「BUCK∞TICKはアートです」【ライブレポート】

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2025年07月17日 17:30  ORICON NEWS

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BUCK∞TICKが全国ツアー『BUCK-TICK TOUR 2025 スブロサ SUBROSA』の最終公演を開催
 ロックバンド・BUCK∞TICKの全国ツアー『BUCK-TICK TOUR 2025 スブロサ SUBROSA』の追加公演ファイナルが9日、東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催された。4月から5月にかけて全国のライブハウスを巡ったツアーに続き、群馬・大阪・東京の3都市で10公演が行われた追加公演はホール会場に舞台を移し、セットリストも一新。バンドの世界観を濃密に表現するステージとなった。

【画像】BUCK-TICK4人のクールなステージショットが使用された『ナイショの薔薇の下 2024』ジャケット

 東京公演は、BUCK∞TICK史上初となる同会場での6日間連続開催。その中盤、「DADA DISCO -GJTHBKHTD-」の演奏直前に、今井寿(ボーカル&ギター)が「BUCK∞TICKはアートです」と語った。これまでも“総合芸術”と評されてきたバンドだが、メンバーがこの言葉を明言したのは異例であった。

 ライブは「百万那由多ノ塵SCUM」で幕を開け、「スブロサ SUBROSA」ではステージのバックドロップに大輪の薔薇が一輪飾られるなか、今井が「スブロッサ!」と間奏で何度も叫び、会場の熱気をさらに煽った。その姿はこのツアー中、初めて観る光景だった。星野英彦(ボーカル&ギター)、樋口豊(ベース)、ヤガミ・トール(ドラム)との4人による演奏は、各曲でアレンジが変化し、一期一会の音世界が展開された。

 この日の公演では、今井作曲の「キラメキの中で…」と星野作曲の「女神」が初披露された。「キラメキの中で…」は、今井と星野がアコースティックギターを力強くかき鳴らすアレンジで、歌が始まるまでそれと気づかなかった観客もいたほど。今井は少しうしろに重心を置いて、昔話を語り継ぐように歌い、終盤に向けて激情があふれ出るようなアンサンブルがドラマチックだった。

 「女神」は、もともと情感豊かなバラードだったが、星野が歌う新バージョンは荘厳な同期と融合したエレクトリックなサウンドへと生まれ変わっていた。どちらも作曲者自身がボーカルを取っており、ニューアレンジでありながら楽曲の源流に触れるような感覚を呼び起こした。

 本編ラストの「ガブリエルのラッパ」は、「ほら見えるか、天使が喇叭を吹いている」という今井の短い語りからスタート。暗雲が立ち込める映像と重厚なビートが交錯し、軍帽を深く被り杖を掲げる今井の姿は、何物も寄せ付けないような気迫に満ちていた。

 ヤガミのドラムソロから始まったアンコールでは、「FUTURE SONG -未来が通る-」「TIKI TIKI BOOM」「プシュケー -PSYCHE-」に続き、「黄昏のハウリング」を披露。今井が「3000年後の約束の地で会おう、必ずだ」と語りかけるなか、眩い光に照らされながら哭くギターが響きわたった。

 終演後、今井は「最高のライブができました。最高の乾杯ができます。また会いましょう」と笑顔で挨拶。「この後、ユータが渋谷公会堂の思い出話をします。聞いてやってください。チャオース!」と樋口に無茶ぶりをしてステージをあとにした。星野は「まだパレードは続きます。楽しもうぜ。秋に会いましょう」と呼びかけ、ヤガミも「また会いましょう」と手を振った。そして樋口は「初めてやったときは、ここでドリフターズが(番組の収録を)やってたのかなと思いました」と思い出を語り、6Daysにちなみ投げキッスを6回、「渋公だーいすき!」と笑顔で締めくくった。

 BUCK∞TICKは10月16日から全国ホールツアー『BUCK∞TICK TOUR 2025 -ナイショの薔薇の下-』を開催。12月29日には東京・日本武道館公演が予定されているほか、11月には大型音楽フェスへの出演も決定している。

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