【悼む】遠野なぎこさん、破天荒トークは自らを守るよろい 数少ない人たちに感じた「愛」が支え

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2025年07月17日 17:53  日刊スポーツ

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遠野なぎこさん

女優遠野なぎこ(とおの・なぎこ、本名青木秋美=あおき・あきみ)さんが急逝したことが17日、分かった。45歳だった。親族が遠野さんのブログを更新して発表した。


   ◇   ◇   ◇


破天荒なぶっちゃけトークは繊細すぎる自分を守るよろいだったのだろう。


黙っていればにじみ出るナイーブな感性は演出家に魅力と映った。母親の意向で妹と弟を入れるつもりで訪れた児童劇団で見いだされたのは、付き添いで来た姉なぎこさんだっだ。18歳で受けたオーディションでは参加者2000人の中からNHKテレビ小説「すずらん」のヒロインに選ばれた。自傷行為で3年間休業した直後のことだった。


その後の取材では、主人公について「まっすぐに生きることは素晴らしい。でも、もう少し器用に生きてもいいかな」と分析した。今から思えばまるで自分に重ねるようなコメントだ。


後に自ら明かす私生活とは一線を画し、収録現場では言葉少なで、それこそまっすぐに演技に向き合う模範生だった。「すずらん」の名物プロデューサー一井久司さんとは20年に亡くなるまで親交が続いた。近年になってその一井さんから受けた小言について「愛があるから、スッと心に染みました(私は基本、反抗的な人間だから笑)」とブログにつづっている。


人付き合いが苦手な分、数少ない人たちに感じた「愛」が支えとなった。「アウト×デラックス」での姿が飛び切り生き生きと見えたのも、マツコ・デラックスが毒舌に秘めた愛情を感じていたからだろう。【相原斎】

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