外国人政策見直し濃淡=参政「急伸」、各党が警戒【25参院選】

37

2025年07月18日 08:09  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

街頭演説に集まった有権者ら=17日午後、岡山市北区
 20日に投開票が迫った参院選で、与野党から外国人政策に関する発言が目立っている。情勢調査で選挙区や比例代表での伸長が伝えられる参政党は「日本人ファースト」を掲げて、外国人受け入れの見直しなどを強く主張。各党は参政の勢いも意識して外国人政策に言及しており、参院選の主な争点になっている。

 「もっと日本人と外国人がぶつかる社会ができる」。17日、参政の神谷宗幣代表は滋賀県米原市で街頭演説し、これまでの政府の取り組みに危機感をあらわにした。「自民や野党も含め、どんどん外国人を入れようとのキャンペーンを張ってきた」と既存政党に矛先を向けた。

 各党は勢いづく参政への警戒を強めている。石破茂首相(自民党総裁)は16日、富山県高岡市での演説で、「外国の人には日本のルールをきちっと守ってもらう。これを徹底していく」と述べ、国内法の適用厳格化などを進める考えを強調した。

 政府は在留外国人に関する諸課題の司令塔組織を新設。出入国管理の強化や、土地取得規制などの課題を検討する。10日には外国の運転免許を日本の免許に切り替える「外免切り替え」制度の厳格化を公表。政府はこれまで訪日観光客や外国人労働者の受け入れを進めてきたが、外国人への規制に取り組む姿勢を打ち出しつつある。

 参政は、一部保守層や無党派層を取り込みつつあるとの見方も出ている。こうした状況を考慮してか、公明党の斉藤鉄夫代表は17日、北九州市の街頭演説で、外国人による迷惑行為の取り締まり厳格化などを強調。一方で「日本で働く外国人と支え合うべきだ」とも述べ、主張のバランスを取ろうとの苦心をにじませた。

 参政の立場を正面から批判するのは立憲民主党や共産党だ。立民の野田佳彦代表は17日、岡山市の街頭演説で「『日本人ファースト』をスローガンに台頭する政党がある。排外主義になりかねない」と強く批判。同日、ユーチューブに配信した動画では、「果たして外国人の犯罪が増えているのか。ファクトを踏まえた冷静な対応が必要だ」とくぎを刺した。

 共産党の小池晃書記局長は17日、東京都内で街頭演説し、「自公まで乗っかり始めている。日本に暮らす外国人やその子どもたちはどういう思いでいるだろうか」と懸念を表明。「人間にファーストもセカンドもない」と参政への対抗姿勢を鮮明にした。社民党の福島瑞穂党首は同日の記者会見で「排外主義があおられていることに心を痛めている」と語った。

 

 ◇各党の外国人政策

 自民党 運転免許切り替え手続きなど毅然(きぜん)と対応▽政府の司令塔機能を構築し「違法外国人ゼロ」の取り組み加速

 公明党 運転免許切り替え制度の厳格化▽社会保険料の未納防止▽投機的な不動産取得の規制強化検討

 立憲民主党 「多文化共生社会基本法」を制定▽「難民等保護法・入管法等改正法」を制定

 日本維新の会 外国人比率の上昇抑制や受け入れ総量規制を含む人口戦略を策定▽司令塔機能の設置

 国民民主党 「外国人土地取得規制法」の制定▽社会保険の加入実態を調査し運用を適正化

 共産党 入管難民法の改正▽難民認定の在り方を抜本改善▽難民審査体制の改正を含む法整備

 れいわ新選組 「移民政策」に反対▽外国人の権利を侵害するような排外的な考えと一線

 参政党 行き過ぎた外国人受け入れに反対▽移民問題を「外国人総合政策庁」で一括対応

 日本保守党 「移民政策」の是正▽入管難民法の改正と運用の厳正化▽経営・管理ビザの見直し

 社民党 あらゆる差別に反対▽罰則規定のある差別禁止法を制定▽移民、難民の排除反対。 

このニュースに関するつぶやき

  • 参政党は支持しないし与党になって欲しいとも思わないけど、少なくとも立憲、共産、社民、れいわ、維新、日本保守党よりはマシだし、議席は伸ばすだろうと思う。
    • イイネ!10
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(34件)

ニュース設定