昭和40年12月生まれの女性です。特別支給の老齢厚生年金は61歳から繰上げ受給できるのでしょうか?

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2025年07月18日 18:30  All About

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老後生活の収入の柱になる「老齢年金」ですが、年金に関することは難しい用語も多く、不安になってしまう人もいるのでは? 年金初心者の疑問に専門家が回答します。今回は、特別支給の老齢厚生年金の繰上げ受給について。※サムネイル画像出典:PIXTA
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、特別支給の老齢厚生年金の繰上げ受給についてです。

Q:昭和40年12月生まれの女性。特別支給の老齢厚生年金は61歳から繰上げ受給できますか?

「昭和40年12月生まれの女性です。特別支給の老齢厚生年金は61歳から繰上げ受給できるのでしょうか? 特別支給の老齢厚生年金を繰り上げすると減額率はどのぐらいになりますか?」(女性)

A:特別支給の老齢厚生年金も61歳から繰り上げ可能ですが、老齢基礎年金と同時に繰り上げる必要があり、それぞれに減額率が適用されます

老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は原則65歳から支給されますが、希望すれば最速で60歳から繰上げ受給が可能です。ただし、1カ月繰り上げるごとに0.4%減額され、その減額率は一生涯変わりません(※昭和37年4月1日以前生まれの人の減額率は0.5%)。

「特別支給の老齢厚生年金」は、一定の生年月日・性別要件を満たす人が、65歳より前に受給できる年金です。相談者は昭和40年12月生まれの女性ですので、厚生年金に1年以上加入しているなどの受給要件を満たしていれば、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。

特別支給の老齢厚生年金も繰上げ受給ができます。特別支給の老齢厚生年金を繰り上げするときには、同時に老齢基礎年金も繰上げ受給する必要があります。

相談者が、本来64歳から受給できる特別支給の老齢厚生年金を、61歳から繰り上げした場合の減額率と年金額について計算してみます。

試算条件は、64歳からの特別支給の老齢厚生年金は年額約80万円支給され、65歳から老齢基礎年金が年額83万1700円(令和7年度の満額)支給されると仮定して計算します。

・特別支給の老齢厚生年金
特別支給の老齢厚生年金は、36カ月(3年)早く繰上げ受給することになりますので14.4%(0.4%×36カ月)減額され、年額約68万4800円になります。

・老齢基礎年金
老齢基礎年金は48カ月(4年)早く繰上げ受給することになるので19.2%(0.4%×48カ月)減額され、年額約67万2000円になります。

相談者が61歳から繰り上げしたときの概算の年金受給額は、約68万4800円(特別支給の老齢厚生年金)+約67万2000円(老齢基礎年金)=約135万6800円になります。

繰上げ受給した減額率は一生変わりません。繰上げ請求した時点の減額率で計算された年金を、一生受け取ることになります。64歳から65歳になるまでもらえる特別支給の老齢厚生年金と65歳から生涯もらえる老齢厚生年金は同額です。繰り上げすると生涯同じ減額率になります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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