モータースポーツとロケット開発、宇宙事業との関連性について数値や素材の違いなどエンジニアのような視点で解説した堀江貴文さん。自らもカートに乗ったりレース好きであることを語った。 スーパーフォーミュラ第6戦&第7戦が行われている富士スピードウェイにて、JRP(日本レースプロモーション)が新たな取り組みの『金曜パートナーDAY』を開催。その技術セッション&就活セッションの講演に実業家のホリエモンこと堀江貴文さんが登壇し、『宇宙開発を支えるモータースポーツの技術』と題して講演を行なった。
JRPが開催する『金曜パートナーDAY』はモータースポーツ業界や自動車産業の未来を支える方々に向けたプログラムで、技術を紹介する『技術セッション』とモータースポーツ界での就職を考えている学生に向けた『就活セッション』として今回の富士スピードウェイで初開催された。
その『金曜パートナーDAY』のプログラムのひとつとして講演した堀江さんはもともとモータスポーツ、レース好きとして知られている一方、ロケット開発、打ち上げサービス事業を行うインターステラテクノロジズ株式会社(本社/北海道大樹町)でも取締役として経営参画。ロケット関連の技術と共にレース技術の知見にも長けていることからJRPから講演依頼をし、堀江さん側が快諾したことで今回の講演が実現されることになった。
堀江さんの講演時間になると、富士スピードウェイの会場には就活の学生だけでなく、親交の深い小林可夢偉やレース関係者、メディアなど多くの聴講者が集まった。
「クルマやレースの技術とロケットはメチャクチャ親和性が高いんです。ロケットは地球の重力圏から脱出するのに、とにかくスピードが必要」と堀江さん。そのためのカーボンファイバー技術開発として、創業時より童夢、東レ・カーボンマジックでのオートクレープを使用していることを明らかにし、エンジン開発やエンジンの冷却機器などに、日本のレースや自動車部品のサプライチェーンが非常に役立っていることを強調した。
講演ではアメリカのドナルド・トランプ大統領の関税によって、アメリカ国内でのロケット開発への懸念も述べ、「自動車製造業のサプライチェーンとしては日本は世界でも最強だと思っています。自動車業界で最先端を走るレーシングカー業界の活性化、そして人材育成、レースの花形はドライバーですが、ドライバーを支える裏方のエンジニアの頑張り、技術力がなければレースも勝てない。そのエンジニアに憧れて、志す人たちがたくさん入ってくることは我々、宇宙業界にとってもいいことですし、相互交流もできるのかなと思っています」と堀江さん。
「私自身もレースが好きで見に来ていますし、カートも乗っていますし、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、モビリティリゾートもてぎも走ったことがありますので、またみなさまと別の機会でお目にかかる機会があるんじゃないかなと思っています」と講演を締めた。
講演は30分程度ながら、堀江さんのロケット、そしてレースの知見の広さと深さが存分に発揮され、モータースポーツ、レースへの新しい視点も示された講演内容に「面白かった」「さすが」という声がレース関係者の中でも多かった。次回はぜひ、グリッドやコースサイドなどで国内のレースを堪能してもらいつつ、モータースポーツファンの前にも来てくれることに期待したい。
[オートスポーツweb 2025年07月18日]