ラリーをリードしているオリバー・ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第8戦エストニア 7月18日、WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・エストニア』のデイ2が、エストニアのタルトゥを中心に行われ、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトヨタ・ガズー・レーシング・ワールドラリーチーム(TGR-WRT)勢の最上位、競技二日目の終わりに総合首位に立っている。
チームメイトのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は総合4番手。同6番手となった勝田貴元/アーロン・ジョンストン組を頭に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組とサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組が7番手、8番手につけた。
フルデイ初日となった金曜は、森林地帯の道で『ラリー・エストニア』の真骨頂であるハイスピードなグラベル(未舗装路)ラリーがスタート。サービスパークの北側と南側で、7本合計120.64kmのステージで争われた。
今シーズン、GRヤリス・ラリー2でWRC2に参戦し、すでに3勝をマークしているソルベルグ。彼はこのエストニアで初めてGRヤリス・ラリー1をドライブしたにもかかわらず、デイ2のオープニングとなったSS2で2番手タイムのロバンペラを5.3秒上回る圧巻のベストタイムを記録し、総合7番手から一躍トップに浮上した。
「人生最高の一日」と語った23歳のドライバーは、これを皮切りに全部で3つのステージウインを飾り、総合2番手につけたオイット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)に対しSS8までに12.4秒のリードを築いている。
エストニアで過去3勝を誇るロバンペラは、「クリーンなスタートを切ることができた」という言葉どおり、不利な出走順3番手ながら午前中は総合3番手につけた。しかし午後はライバルがペースを上げたことで順位をひとつ下げ、首位ソルベルグと20.1秒差の総合4番手で一日を終えた。
SS8でティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とベストタイムを分け合い、ロバンペラと9.9秒差の総合6番手となった勝田は、「クルマの改善を続け、自分自身もドライビングを改善して、明日がより良い一日になるように全力を尽くします」と語った。勝田と総合5番手のアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)のタイム差は、わずか0.2秒だ。
出走順1番手で厳しい戦いを強いられたエバンスは、「予想していた以上に難しく感じた」と一日を振り返った。それでも粘りの走りで総合7番手につけ、上位進出の機会を窺う。
ラリー・エストニアにGRヤリス・ラリー1で初出場したパヤリは、「残念なスタートになってしまった」と言うように、午前中にブレーキシステムのトラブルに遭遇しながらも、一日を通して安定した走りを続けエバンスと23.7秒差の総合8番手につけている。
チーム代表代行としてTGR-WRTを率いるユハ・カンクネンは、各ドライバーの戦いを振り返り次のように語った。
「今日のオリバーのパフォーマンスは、皆にとってポジティブな驚きだった。もちろん彼が速いことを我々は知ってはいたが、今日のような非常にクリーンで速い走りをしたらどうなるのか、私だけでなくオリバー自身も驚いたと思う」
「明日も、今日と同じような走りができたとしたら、それは素晴らしいことだ。上位のクルマは接戦なので、明日はタフな戦いになると思う」
「カッレはグリップを得ることに少し苦労し、出走順がトップだったエルフィンは、今回もタイムを失うことを覚悟していた。それでも彼らは明日、よりクリーンな道を走ることができるはずだ。貴元は安定した走りを見せ、サミも、トラブルが解消された午後はより良いパフォーマンスを発揮してくれた」
競技3日目となる19日(土)のデイ3は、サービスパークの南側エリアで4本のステージを各2回走行したあと、一日の最後には木曜日に走行したサービスパークすぐ近くでのスーパーSSを、SSS17として再走する。9本のステージの合計距離は125.76kmと、4日間で最長の一日となる。
[オートスポーツweb 2025年07月19日]