広瀬すず(27)が11日、主演の日英合作映画「遠い山なみの光」(石川慶監督、9月5日公開)の舞台で、原作者カズオ・イシグロ氏(70)の故郷でもある長崎を、吉田羊と石川慶監督とともに訪問。15日の終戦記念日を前に、長崎市内の平和祈念像を訪ね、雨の中で献花した。
「遠い山なみの光」は、ノーベル文学賞受賞作家イシグロ氏の、1982年(昭57)の長編デビュー作の映画化作品で、同氏が生まれた50年代の長崎と80年代の英国が舞台。広瀬は、長崎在住時代に原爆を経験した悦子を、戦後に英国に渡って以降の80年代の悦子を吉田が演じた。
九州地方に記録的な豪雨が降り、大粒の雨が降るあいにくの天気にもかかわらず、平和公園には献花や平和の祈りをささげる観光客の姿も多く見られた。広瀬と吉田、石川監督は白い花束を手に、平和祈念像を前に深く一礼。像の前に設けられた献花台へ、ゆっくりと足を進めた。そして献花した3人は、犠牲者への哀悼の気持ちと世界平和を願い、静かに手を合わせた。
広瀬は「撮影では長崎に来ることができなかったので、ようやく訪れることができ、手を合わせることができたことを光栄に思います。映画を通じて改めて世界中の皆さんにこの場所で起きたことを知ってもらうきっかけになれば」と語った。吉田は「戦後80年の節目の年に平和祈念像に献花する機会をいただき、光栄に思います。原爆で亡くなられた多くの方を思い浮かべました。長崎が最後の被爆地であってほしいと強く願いたい」訴えた。
製作の準備期間で何度も長崎を訪れた石川監督は「先日、この場所で行われた平和祈念式典の直後でもあり、長崎の皆さんに映画をお披露目する前に献花に訪れることができたことはとても意味のあることではないかと思います」と意義を感じていた。
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