サプライズ!A・ドライバーら豪華キャスト「ファザー・マザー・シスター・ブラザー」が金獅子賞

0

2025年09月08日 17:03  日刊スポーツ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

日刊スポーツ

アダム・ドライバー(2017年12月撮影)

第82回ベネチア国際映画祭が6日に閉幕し、米国のジム・ジャームッシュ監督(72)が監督と脚本を務めた「ファザー・マザー・シスター・ブラザー」が、最高賞となる金獅子賞をサプライズ受賞した。金獅子賞の最有力候補と目されていたイスラエルの攻撃を受けるパレスチナ自治区ガザ地区を舞台にしたカウテール・ベン・ハニア監督の「ザ・ボイス・オブ・ヒンド・ラジャブ」は、次点となる銀獅子賞(審査員大賞)を手にした。


米ニュージャージー、アイルランド・ダブリン、フランス・パリを舞台に3つの異なる家族の不安定な絆を描いた「ファーザー・マザー・シスター・ブラザー」は、俳優アダム・ドライバーや女優ケイト・ブランシェットら豪華キャストが集結。さりげない仕草や沈黙を通じて、家族を悩ませる世代間のぎこちなさを穏やかに描き、好評を博したものの最高賞の受賞はサプライズだと受け止められている。ジャームッシュ監督は、「受賞をモチベーションに映画制作をしているわけではありませんが、この思いがけない栄誉に心から感謝しています」とスピーチした。


イスラエル軍の攻撃によって命を奪われた6歳のパレスチナ人少女、ヒンド・ラジャブさんを描いた「ザ・ボイス・オブ・ヒンド・ラジャブ」は、最高賞を逃したものの世界初お披露目となった上映会では、映画祭史上最長となる24分間のスタンディングオベーションを受けた。ハニア監督は、「映画によってヒンドを生き返らせることも、彼女に対する残虐行為を消し去ることもできません。奪われたものを取り戻すことは決してできませんが、映画は彼女の声を守り、国境を超えて響かせることができます」と語った。(ロサンゼルス=千歳香奈子)

    ニュース設定