<広島1−6阪神>◇17日◇マツダスタジアム
雨が上がった午後7時過ぎ。近本は打席が待ち切れないようにいち早くベンチを出て、ネクスト・バッタースボックスでバットをぶんぶん振り出した。
「1番センター、近本」のアナウンスに大きな拍手が響いた。3試合ぶりにグラウンドに戻ってきた。痛めていた左腕はもう大丈夫。練習中は笑顔もあった。試合では走攻守に元気なところをアピールした。試合後は「まあ、まずはよかったです」と落ち着いた表情で話した。
3回1死の第2打席で右中間に落とす安打。相手守備の動きを見て、迷わず二塁に走る好走塁でチャンスメーク。森下の中前打で先制のホームも踏んだ。3回の守備では、佐々木の大飛球を背走して好捕した。9回には左前に落としてマルチ安打。すかさず二盗を決め、リーグトップの盗塁を31に伸ばした。また生還を果たして得点に絡んだ。
13日の巨人戦左前腕付近に死球を受け、すぐ病院に向かった。その後の2試合はベンチメンバーからも外れた。腫れと強い痛みがあり、テーピングを巻いて、慎重に患部を動かしてきた。負傷から4日目でやっとGOサインが出た。4日ぶりのプレー後、影響はあったかの質問に「それは分からないです」と応じた。
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負傷の前には「しっかりとポストシーズンに向けて、コンディションと調子をしっかり合わせれたらいい」と話していた。今季は開幕から大きな故障なく、順調に数字を積み上げた。8月下旬に大スランプがあったが、盗塁だけでなく、最多安打や、最高出塁率も狙える位置にいる。紛れもなくチームの快進撃を支えた大きな柱だった。
高いコンディション意識を持つ近本は入団以来7年間活躍を続けてきた。だが、前回優勝した23年も死球で約3週間離脱。アクシデントが最も怖い。今回は幸い、骨に異常はなかった。近本抜きのポストシーズンの戦いは考えられない。たった2試合の不在だったが、より存在感を高める出来事になった。【柏原誠】
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