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ちょんまげを結って活動している落語家、立川志の八(51)が「立川志の八の東海道中膝瓜毛〜丁髷(ちょんまげ)と落語で歩く東海道五十三次」と題して、東海道の宿場町を歩いている。行く先々で落語を演じ、人々と交流しながら京都・三条大橋のゴールを徒歩目指す。今年で芸歴25年の立川流の真打ち、志の八に聞いてみた。【取材・構成=小谷野俊哉】
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2000年(平12)に立川流きっての売れっ子、立川志の輔(71)に入門した。
「師匠は厳しいですよ。厳しいけど、的確ではあります。アドバイスとかもやっぱり的確です。そして、僕らの話も聞いてくれるんで『ああ、なるほど。そういう言い方があったか』みたいな。ネタ1つのアドレス取ってみてもね『えええーっ』と考えさせられますし、ああいう風になった時はどう考えるんだろうなっていうのを思いますよね」
古典、新作とも当代随一の志の輔の弟子らしく、バランス良く噺(はなし)を演じる。
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「もう、いろいろな噺をやりますが、古典と新作のバランスを考えています。『文七元結(ぶんしちもっとい)』やったり、自分で新作作ったり。今回は道中、歩きながら何をやるかを考えます。特に関西方面は、ほとんど知らないところばかりですから。景色を眺めて、その土地の人たちと話してみてね。あと静岡もね、めちゃくちゃ東西に長いじゃないですか。しかも割と細かく宿場があるんですよね。すぐ先に次の宿場があるみたいな感じのところもありますからね。今は、それをひとくくりにしちゃって、行政区域にしちゃったりしてる」
五十三次の宿場を、1日に2宿場を目標に歩いて行く。
「一応、日程としては10月いっぱいかけてっていうのが目標ですね。最低限の休みと、無理のない、それでも無理があると思うんですけど、予定を立てたらやっぱり丸々1月かかるっていう感じですね。やる会場は大体決めてあるんですけど、本当に歩いて行くので、この日のこの時間に開演しますっていうのはね」
早い段階から、公演の開催告知ができないという悩みもあるという。
「例えば普通の落語会だったら、もう2カ月前とか1カ月前とか日程が決まってるんだけど、告知ができない。だからどのくらいのお客さんがいて、どういうお客さんの前でやるのかっていうのは未知数なんです。それはもう、すごいドキドキしてます。関東圏はまだね、なんとか分かるんですがね。なので、静岡に入ってからは、本当に分からない。どうなって行くんだろうっていう感じの、もう未知の世界ですよね」
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その分、見知らぬ街を訪れる楽しみがある。
「だから本当に僕の体力と、あとは食欲っていうのか分かんないけど。その土地、土地のそこでしか食べられないものとか、その土地の人しか知らないようなお店に行ったりだとか。そういうのがね、そこまでの余裕があったらすごい楽しいですよね」
ネタも現地の空気を感じながら考案する。
「そこの宿場に着いて、そこの人と話してみて、ちょっと変えたりみたいなね。自分のことですけど、どうなるんだろうなって気がしてますね、今は。そうそう、師匠の志の輔から連絡がありました。『俺のできることなら、なんでもする』って行ってくれました。でも、忙しい人だから、一緒に歩くっていうのもね(笑い)」
予定では10月いっぱいで京都到着が目標も、天気任せ、人任せ。詳しくは志の八のX(旧ツイッター)をチェック!
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(続く)
◆立川志の八(たてかわしのはち)1974年(昭49)5月24日、横浜市戸塚生まれ。00年(平12)5月、立川志の輔に入門。09年二つ目。11年年「第10回さがみはら若手落語家選手権」優勝。12年「前橋第四回若手落語家選手権」優勝。17年真打ち。168センチ、74キロ。血液型B。
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