「大好きだったのに同居したら別人に……」息子妻をゾッとさせた義母の「驚くべき発言」

1

2025年10月07日 22:30  All About

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

All About

大好きだった義母との同居を夫に提案した47歳女性。初めはうまくいっていたが、ある出来事をきっかけに義母が別人のように変わってしまう。義母に言われたある一言に「猛烈に腹が立った」女性はついに義母に本音を言うが……。※サムネイル画像:PIXTA
義理の親との同居は、女性にとって大きな出来事だ。それまで関係がうまくいっていようと、同居となれば話は変わってくる。物理的な近さは精神的近さにつながり、年とった義親が息子の妻を一気に頼るようになることもあり得る。

義母は理想の女性だった

「結婚以来、夫の実家から徒歩15分くらいのところに住んでいました。自転車を飛ばせば5分の距離。何かあってもすぐ駆けつけられるけど、互いの生活は大事にしよう。そういう暗黙のルールができあがっていたんです」

アズミさん(47歳)は、しみじみとそう言った。現在、15歳と13歳になる子どもたちがいるが、彼らが小さいころはSOSを出せばすぐに義母が駆けつけてくれた。

「困ったときは遠慮しないでというのが義母の口癖。でも何もないときに不意に来たことは一度もなかった。モラハラ気が強い義父のことは嫌っていたようで、夫婦仲もよくなかった。

夫からも『あの家はおふくろの我慢で成り立ってきた』と聞いていました。それでも愚痴1つ言うこともなく、常に明るい義母が私は大好きでした」

私は結婚してキャリアを捨ててしまったから、あなたにはできる限り頑張ってほしいわという義母の言葉がうれしく、アズミさんは3歳年上の夫と共働きで生活してきた。

「キャリアは捨てたかもしれないけど、義母はずっとパートで働いていて、60歳以降もぜひ残ってほしいと勤務先から頼まれたみたい。責任感が強く、社員以上に会社に貢献したと表彰までされたんですよ。そういう義母が私は誇りでした」

退職した義母に変化が

義母が70歳のとき、義父が亡くなった。「ホッとしたわ。これから私は自由よ」とこっそり言った義母をかわいいと思った。それから5年間、義母はパート仕事を続けながら、自由を満喫したようだ。

ところが退職してから、義母は一気に老け込んだ。年金で暮らせるし、もっと自由に好きなことをすればいいのにとアズミさんは思ったが、「誰の役にも立ってない。何のために生きているのか分からない」と義母はつぶやくようになった。

家に行ってみると、きれい好きだった義母からは考えられないほど部屋が荒れていた。洗濯ものがたまっていることも増えたし、大好きだった庭の手入れもまったくしなくなっていた。

実家で同居することに

心配になったアズミさんは実家での同居を夫に提案した。大丈夫だよ、もう少し一人で暮らせるだろという夫を説得して話をしてもらったら、義母は精神的に弱っていたのだろう、二つ返事で同居を喜んだ。

「意外でしたね。あの気丈な義母が、同居したいと言うなんて。よほど寂しいのかなと思いました」

アズミさん一家が住んでいたマンションは、アズミさんのいとこ一家に貸すことになった。家賃収入が増えるし、いずれは子どもたちが住んでもいい。

「同居したら、義母が以前のように元気になってきたんです。子どもたちは食べ盛りなので、義母とは少し食事を変えたいと言ったら、献立さえ作って材料をそろえておけば料理しておくわよと言ってくれて。私たちの役に立っていることがうれしかったんだと思う」

最初はそれでうまくいっていた。ところが1年前、義母が胆石で入院、手術をしてから事態は変わった。それほど大きな手術ではなかったし、2週間ほどで退院したのだが、それ以来、義母は「すっかり病人」になってしまったのだという。

「定期的に病院に通っていて、もう普通に生活してもいいと言われても、家では『私は病人だから、もう何もできない』と言いだして。少し運動した方がいいと医者からは言われているのに、それまで行っていたヨガもやめてしまった。地域の俳句サークルにも行かない。

介護認定を受けてデイサービスにも行けるけど、数回で行かなくなった。具合が悪いのではないかと全身の検査をしてもらったんですが、もうすっかり健康体とお墨付きをもらいました。それでも本人は、病人だからと外へ出ない」

家事もしなくなった。1日中、自室でテレビを見ているだけ。外食に誘うと同行するし、人一倍、食欲はあるのだが、一人で何かをすることができない。認知症とは無縁だと医師には言われている。カウンセリングにかかることを勧められたが義母は拒否した。

子どもになってしまった義母

「夫が言うには、胆石で入院したときとそのあと、家族みんながとても心配して大事にしたので、病人でいれば優しくしてもらえると甘えているんだろうと。確かにその気配はある。

あんなにしっかりしていた義母が、うちの子どもたちより子どもになっているのが、私としては歯がゆいような悔しいような……」

家事は、子どもたちの手も借りつつアズミさんと夫が頑張っているが、アズミさんは以前ほど仕事に注力できなくなってきた。

「先日も残業だったので、朝早く起きて夕飯の下ごしらえをし、夕方、子どもたちに指示を出しました。残業していても気が気じゃなかった。途中で夫から『少し早く帰れそうだから、もう気にしないでいいよ』と連絡があってホッとしました」

さっさと残業を片づけた帰りがけ、義母に電話をすると「アズミちゃん、早く帰ってきて。おなかがすいてるの」と甘えた声を出されて、アズミさんは背筋が冷たくなったという。

その後、「おなかがすいたから早く帰ってきて」と言っていいのは子どもだけだと、アズミさんは猛烈に腹が立った。

「私はお義母さんの母親じゃないからねと、その日の夜、言ってみたんですよ。そうしたら義母が涙目になっちゃって。心身ともにまったく問題のない義母を、今後は“子ども”として扱っていくしかないんですかね。

だから同居なんてしない方がよかったと夫も愚痴っています。どう対処していけばいいのか……」

困惑したように語るアズミさんの表情が、ひどくつらそうだった。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

    ランキングライフスタイル

    前日のランキングへ

    ニュース設定