福山雅治、35周年ツアー完走 ファイナルの福岡公演で響かせた「道半ばの未熟者」のSOUL

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2025年10月08日 19:30  オリコンニュース

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福山雅治、35周年ツアー完走 ファイナルの福岡公演で響かせた「未熟者」の“SOUL”
 福山雅治が9月28日、『NISSAY PRESENTS FUKUYAMA MASAHARU 35TH ANNIVERSARY DOME LIVE 2025 // SOUL』の大千穐楽公演を、福岡・みずほPayPayドーム福岡で開催した。同ツアーはデビュー35周年を記念して行われたドームツアーで、全6公演・20万人を動員。この日はツアー最終日として、節目の歩みを刻む一夜となった。

【ライブ写真多数】オーディエンスを魅了した福山雅治のギター姿やハンドマイク姿など

 開演とともに福山は、レスポールカスタムのギターを携えてステージに登場。1曲目は「クスノキ」の「我が魂は〜」のメロディをリードギターで奏でるフレーズから始まり、続くデビュー曲「追憶の雨の中」へとつなぐ。35年の時を経て、原点と現在がリンクする象徴的なオープニングだ。

 本編は「ステージの魔物」で本格始動。バンドメンバーにはキャプテン・井上鑑(キーボード)を筆頭に、山木秀夫(ドラム)、高水健司(ベース ※高=はしごだか)、今 剛(ギター)、小倉博和(ギター)、三沢またろう(パーカッション)、山本拓夫(サックス/フルート)、西村浩二(トランペット)、村田陽一(トロンボーン)、金原千恵子(バイオリン)、栄田嘉彦(バイオリン)、榎戸崇浩(ビオラ)、笠原あやの(チェロ)といった、日本屈指のミュージシャンたちが名を連ねた。楽器ごとのフレーズの応酬が繰り広げられ、「vs.2022 〜知覚と快楽の螺旋〜」ではより一層の熱気を帯びる。福山の音楽的ルーツであるビートロックの影響を色濃く打ち出しながら、序盤からハードなサウンドで畳み掛けていった。

 「HELLO」では巨大ビジョンに“FUKUOKA”“35TH ANNIVERSARY”の文字が映し出され、パーカッシブなリズムと伸びやかなボーカルがドームに響きわたる。

 最初のMCでは「会いたかったです、福岡!」と笑顔を見せ、11年ぶりとなる同会場での公演に喜びを語る。福岡ソフトバンクホークスのリーグ優勝に触れつつ、自身の最新シングル「万有引力」がオリコンデイリーランキング1位を獲得したことへの感謝も伝えた。

 中盤では「零 -ZERO-」「Popstar」などを披露。花道を駆け抜けるパフォーマンスや、タイポグラフィーを駆使した映像演出も印象的だった。「今日はわがままを言います! みなさまの大歓声を浴びさせてください!!」と呼びかけたMCでは、デビュー当初のライブハウス時代を振り返り、「35年を迎えても道半ばの未熟者」と語って深く一礼する姿もあった。

 「Good night」「Squall」「想望」「家族になろうよ」などラブソングの数々では、トリプルギター編成や福山自身の幼少期映像を交えながら、時間を越えて届く歌の力を描き出す。そして未発表の新曲「未来絵」では、どんなことがあってもより良い未来を描こうという歌詞を届けた。同公演はアーティストとしての35周年であり、自身の誕生56周年の人生録でもあることがライブの中盤で明かされ、「道半ばの未熟者」と語った福山自身の姿と、そのメッセージが重なっていた。

 後半は「KISSして」の大合唱から、「無礼者たちへ」では映画『ウィッシュ』のヴィラン・マグニフィコ王さながらの演技を交えたパフォーマンスを展開した。衣装チェンジを経て、「幻界」「虹-With 30,000 souls-」とつなぎ、46名のコーラス隊・長崎クスノキクワイアも登場。「万有引力」から「クスノキ-500年の風に吹かれて-」へと至る流れは、福山にとっての“SOUL”の在処を示すクライマックスとなった。

 アンコールでは「明日の☆SHOW」「桜坂 2024」を披露。さらに、自らが運転するホンダ・シティ・カブリオレ(デビュー当時と同車種)でアリーナを一周する演出も実施された。最後はひとりステージに立ち、弾き語りで「最愛」を届けてツアーを締めくくった。

 福岡のライブハウスに初めて出演した際、祖母が観に来てくれたという思い出にも触れた福山は、再会の約束を客席に残してステージを降りた。35周年の節目にふさわしい説得力を放った圧巻のステージとなった。

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