川島如恵留「僕にとって一番の幸福は、メンバーといられること」 初の単独主演舞台に挑む【インタビュー】

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2025年10月13日 08:10  エンタメOVO

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川島如恵留 【ヘアメーク:宇佐美順子(JOUER)/スタイリスト:日夏(YKP)】 (C)エンタメOVO

 Travis Japanの川島如恵留が主演する舞台「すべての幸運を手にした男」が11月14日から東京グローブ座で上演される。世界を代表する劇作家アーサー・ミラーの初期の名作として名高い本作は、主人公デイヴィッド・ビーヴスに思いもかけない幸運が次々と訪れたことから不安を抱えていくという物語。ストレートプレー初挑戦で、初の単独主演舞台となる川島に公演への意気込みや舞台への思いなどを聞いた。




−初の単独主演舞台に挑む心境を教えてください。

 昨年、(音楽劇「A BETTER TOMORROW -男たちの挽歌-」で松倉海斗と)ダブル主演で舞台に出演させていただいたのですが、そのときは二人だからこそ乗り越えられたことがたくさんありました。今年はそれをひとりで担うことになるので、作品を背負うことへのプレッシャーと楽しみをより感じています。稽古期間中にたくさん自信をつけ、そのプレッシャーを跳ね返せるくらいになれたらいいなと思っています。ずっと舞台で単独主演を務められるようになりたいと思っていたので、メンバー全員に見に来てもらい、『最高だったよ。Travis Japanももっと上にいけるよ』と思ってもらいたいです。

−そうすると、主演が決まって喜びの気持ちが大きかったのですね。

 そうですね。すぐに出演させてくださいとお返事しました。資料を読ませていただき、作品の内容ももちろん魅力的でしたが、これは僕が演じるしかないと思いました。

−脚本を読んで、川島さんが演じるデイヴィッド・ビーヴスという人物に共感するところはありましたか。

 僕のことを書いているのではないかと思うくらい、共通点の多いキャラクターです。僕も自分が運に恵まれてきたなとは思っています。Travis Japanとしての全世界配信デビューには時間はかかりましたが、最終的に今、デビューさせていただいていますし、半年間、活動をお休みしてもこうして帰ってこられたということも恵まれていると心から思います。でも、この作品を読んで、日々の積み重ねの大切さに改めて気付かされ、それが自信につながったらいいなと思いました。この作品をご覧になったお客さまが、「デイヴィッドと川島如恵留は似ていたよね」と思ってもらえたらいいなと思っています。

−作品のお話を聞いて「僕が演じるしかない」と感じた理由はどんなところにあったのですか。

 先ほど、僕は運に恵まれていると話しましたが、昔は運がないからその分、実力でカバーしなくてはいけないと思って生きてきたんです。ですが、アメリカ留学に行く少し前くらいから、運が巡ってきていると思うようになってきて。そこからはずっと運がつないでくれたように感じています。なので、ある意味では、デイヴィッドは僕を誇張したような人物なのだと思います。運だけで生きていて、実力は何もない。運だけに頼ってしまう自分が怖くて、自分に自信が持てない。そんなデイヴィッドの気持ちがすごく分かります。最終的にデイヴィッドはあることに気付きますが、それは今、僕も気付けていることなので、デイヴィッドにその景色を見せてあげたいなと思いました。だからこそ、僕が演じるしかないと思いました。

−グループや文筆家など多岐にわたって活動する中で、舞台に立つことにはどんな思いがありますか。

 僕、舞台が大好きなんです。コンサートとはまた違う空間で、お客さまの前で劇場の舞台に立つことがずっと夢だったので、こうしてまた立たせていただけることに喜びを感じています。僕は子役をしていたこともあり、アイドルになるまでは舞台で生きていくと思っていました。なので、アイドルになった今もまたこうしてステージに立つことができて、作品をお届けできること、そして1人のプロの演者として立たせていただけることがとてもうれしいです。

−今作を経験することで、グループにはどんなものを持って帰りたいですか。

 いつかまたTravis Japanの7人が主演する舞台をさせていただきたいと思っているので、映画やドラマのお芝居とはまた少し違うお芝居をお見せすることができたら、それが一つの武器になるのかなと思います。舞台役者として厚みを増したメンバーがグループに帰ってくることが還元になるのではないかなと。例えば今、(松田)元太がバラエティー番組で活躍していますし、ほかのメンバーたちもそれぞれに映画やテレビ、ラジオなどで頑張っていますが、それぞれが成長していくことで、さらに厚みのあるグループになると思うので、僕はこの作品で舞台俳優として大きく成長できたらと思っています。




−本作の公演中の11月22日には31歳の誕生日を迎えますね。

 公演中に誕生日を迎えられるのは幸せです。去年の誕生日は本を出版させていただき、イベントを行わせていただきましたが、今年は舞台俳優として過ごさせていただきます。カーテンコールなどで見にきてくださったお客さまが喜んでくださり、拍手をしてくださって、フラットな自分に戻ってステージに立ったとき、「今日は誕生日だったんだ」と思い出す時間が持てたらすごくすてきな時間になるのではないかと思います。そのためにも、まずは舞台を成功させたいと思っています。

−31歳はどんな1年にしたいですか。

 Travis Japanの3rdアルバムが12月3日に発売されるのですが、それを皮切りにした予定があるので、それらを大成功させて、もっともっとトラジャ担の皆さまに幸せになっていただきたいですし、新たなトラジャ担をたくさん迎えられる1年にしたいと思っています。僕は31歳になりますが、この年齢だからどうということではなく、年齢は忘れて、ライブも舞台もみんなで楽しめる場所をたくさん作れたらいいなと思います。

−この作品は「幸福」がテーマですが、川島さんにとっての「幸福」とは?

 この作品にも通じると思いますが、幸せは待っていてもこないから、自分から動く必要があります。一人だとつかめる幸せに限界があるけれども、みんながいればそれが増えたり、大きなものになります。一人じゃないことでたくさんの幸せに出会えると思うので、多くの人と一緒にいたいなと思います。そう考えるようになったのは、やっぱり活動休止を経験したことが大きかったです。メンバーのおかげで休むことができたし、メンバーのおかげで戻ってくることができた。僕にとって一番の幸福は、メンバーといられることだと改めて気付きました。

−では、この作品を通してどんなメッセージを観客に届けたいですか。

 この作品は、決して明るいだけの物語ではないですが、文学としての面白さが詰まっています。小説の文字をそのまま現実にしたような作品になると思うので、それを楽しんでいただけたらと思います。演出のリンゼイさんが原作に忠実に、そして細かいところまで精密に作られると思うので、僕もそれをしっかりと受け取って演じていきたいです。お客さまには、リラックスして、この物語の中に没入して見ていただけたらうれしいです。家族の力関係など複雑な心理描写も多く、先の展開が読めないのも面白いところです。恋愛や仕事、家族などデイヴィッドの人生が描かれているので、きっと自分もこういう経験したなと共感できる部分があると思います。デイヴィッドがどんな思いを持って、どんな選択をしていくのか。楽しんで見ていただけたらと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 舞台「すべての幸運を手にした男」は11月14日〜12月2日に都内・東京グローブ座で上演。

公式サイト https://alltheluck.jp/




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