M5採用の新「Apple Vision Pro」発表 動画再生は最大3時間に、より装着しやすく 59万9800円から

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2025年10月15日 23:20  ITmedia Mobile

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空間コンピュータ「Apple Vision Pro」の新型を発表した

 Appleは10月15日、空間コンピュータ「Apple Vision Pro」の新型を発表した。新しいM5チップを搭載してパフォーマンスを大幅に向上させ、より快適な装着感を実現する「デュアルニットバンド」を新たに採用した。価格は59万9800円からで、ストレージは256GB、512GB、1TBから選択できる。発売日は22日で、Apple Store直営店などで販売する。


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 Apple Vision Proは、スキーゴーグルのような見た目をしており、前面のカメラで撮影した外界の映像を目視しながら、映画コンテンツやWebブラウザなどを閲覧できるデバイスで、利用者は基本的に指と視線で操作する。先代モデルは、Appleが2023年6月5日に発表し、翌2024年6月28日に日本での販売が始まった。


●新しいVision Proの心臓部は「M5チップ」になり処理速度向上


 新しいVision Proの心臓部には、第3世代の3ナノメートルテクノロジーで設計されたパワフルなM5チップが搭載された。このチップは10コアCPUを備え、アプリの読み込みやWebブラウジングといったシステム全体の応答性を高速化する。また、次世代の10コアGPUアーキテクチャにより、ゲームなどでより精細な照明や陰影、反射を表現できるようになった。


 ディスプレイはピクセル数が前世代と比較して10%多くレンダリングされ、テキストはよりくっきりと、ビジュアルはさらに精細になった。リフレッシュレートは最大120Hzまで向上し、動きの速い映像も滑らかに表示する。バッテリー性能も改善され、1回の充電で最大2.5時間の一般的な使用、最大3時間のビデオ再生に対応する。


 さらに、16コアのNeural Engineにより、AIを活用した機能の実行速度も向上し、Personaの収録や写真の空間シーンへの変換などが最大50%高速化された。


●快適性を追求した新デザインに OSにはvisionOS 26を採用


 装着時の快適性も追求。新たにデュアルニットバンドが付属する。このバンドは立体的に編み込まれた上下のストラップが特徴で、クッション性、通気性、伸縮性に富んだ構造となっている。下部のストラップにはバランスを取るための重りが組み込まれており、安定した装着感を提供する。フィットダイヤルで細かい調整も可能だ。


 OSにはvisionOS 26を採用し、ウィジェットをユーザーの空間にシームレスに統合できるようになった。これにより、時刻や天気の確認、音楽の再生などがより簡単になる。また、Persona機能も進化し、FaceTimeなどでのコミュニケーションがより自然になったほか、生成AIを使って写真にリアルな奥行きを与える空間シーン機能も追加された。


●拡大するアプリとエンターテインメントコンテンツ


 App Storeでは、visionOS専用に作られた3000以上のアプリを含む、100万を超えるアプリが利用可能だ。ユーザーは家のデザイン、ファッション、アート鑑賞、世界探訪など、多岐にわたる体験を楽しめる。


 エンターテインメントデバイスとしても進化を遂げており、「Apple Immersive」では新しいシリーズや映画、よりすぐりのNBAの試合などを楽しめる。Apple TVアプリでは150以上の3D映画が提供される。ゲーム体験も向上し、ソニー(SIE)のDualSenseやPlayStation VR2 Senseコントローラーといった人気のゲームコントローラーに対応。これにより、より没入感の高いゲームプレイが可能になった。


●プロフェッショナルと企業での活用も進む


 プロのユーザーや企業向けの機能も強化されている。アーティストは新しい作品をデザインし、写真家はMac仮想ディスプレイを使ってどこでも正確な色調整を行える。また、デジタルペンシル「Logicool Muse」にも対応し、より精密な創作や共同作業が可能になる。企業での導入も進んでおり、CAEではパイロットの訓練に、Porscheではショールームでの車両の視覚化に、病院では高品質な3次元医用画像の提供に活用されている。



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