新たなフーデリサービス「ロケットナウ」参入でウーバーイーツ配達員事情はどう変化した?【チャリンコ爆走配達日誌】

1

2025年10月16日 07:20  週プレNEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

週プレNEWS

ロケットナウとウーバーイーツの特徴比較

連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第121回

ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

* * *

皆さんは「ロケットナウ」というフードデリバリーサービスをご存知でしょうか。

韓国の企業「Coupang」の子会社「CP One Japan合同会社」が運営し、2025年1月に都内でサービスを開始。送料0円、サービス料0円、店によっては店内の販売価格とまったく同じ値段でデリバリーしてくれるというのがウリで、9月30日からは大阪でのサービスも始まりました。

最近は「ロケットナウのサービスを導入してください」と飲食店を回る営業の契約社員と会社との間で、賃金の未払いなどいろいろ揉めているようですが、そのあたりについて私はよくわからないので、今回はウーバーイーツ配達員視点から見たロケットナウの配達員事情、配達事情についていろいろ書きたいと思います。

サービス開始当初は東京都港区の一部エリアのみでしたが、9月20日現在、東京23区全域と多摩地域20市、神奈川県横浜市、川崎市など15市町、千葉県千葉市、船橋市など10市、埼玉県さいたま市、川口市、川越市など19市まで拡大しています。このペースはものすごいもので、ウーバーイーツが3、4年かけて行なってきたものをわずか8ヵ月で達成したことになります。

こういったサービスで重要なのが配達員の確保。その課題を解決するためか、昨年末あたりからウーバーイーツのバイク配達員の間で「ロケットナウというサービスが始まるらしい」という話がSNSで広がり、サービスが始まってからは「時給制なので待機時間も金がもらえる!」「港区の一部だけなので距離の近い楽な配達ばかり!」「加盟店が少なく注文数者少ないので、ぼーっと待機しているだけで時給2000円!」みたいな反響がありました。

ただ当初は自転車配達員を積極的に募集する様子はなく「好条件なのでバイクの配達員はロケットナウに流れるだろうな」と、どこか他人事でした。ちなみに当初は、配達エリアや注文数が少ないことから、事前に配達希望時間を登録して、その枠に空きがあれば配達を担当するというシステムだったようです。

季節が春になると、エリア拡大、配達員増加の影響もあってか事前に配達希望時間を登録する制度がなくなりました。そしてゴールデンウイークぐらいには時給制度もなくなり、ウーバーイーツと同じく配達ごとの報酬制度と変化しました。

ちなみに、本連載のイラストを担当する土屋俊明さんはウーバーイーツのバイク配達員で、6月にロケットナウの配達員登録。何度か配達をしたそうです。そこで、配達を始めた頃にどんな感じなのか聞いてみたのですが「ウーバーイーツとシステムも報酬も配達依頼が入ってくる感じも大差はない」とのことでした。

そんなわけで、多くのバイク配達員にとってロケットナウはこれまでのフードデリバリー同様、すべてのフードデリバリーの配達員アプリを立ち上げ、手元に届いたコスパのいい依頼を受けるという、高額の収入を見つけるための手段のひとつとなりました。

そして7月。最高気温35度を超える日が続いて起きたのが、注文数の増加と熱中症を懸念して日中の配達を休む配達員の増加。ウーバーイーツで毎年起こるこの配達員不足に加えて、今年はロケットナウの配達もこなすバイク配達員が増えたことで配達員不足が深刻化。

そのためなのか、以前「『マグロ』や『クジラ』は釣れる? 深夜の歌舞伎町でウーバーイーツ配達チャレンジ」で書いたような、1回の配達で5000円を超えるようなクジラと呼ばれる超高額の依頼がウーバーイーツのバイク配達員に届いたり、ランチタイムやディナータイムに届くクエストの金額が増加。月100万円を稼ぐバイク配達員も現れました。

自転車配達員の私にはクジラ案件は無縁でしたが、クエストの金額が増え、収入が少々上がりました(とはいえ、暑い中自転車で配達すると危険なのでディナータイムのクエストで少しだけ稼ぎが増えたという感じでしたが)。

なので、実感としては「バイク配達員はロケットナウの参入で収入が上がってうらやましいな」という感じです。ただ、ロケットナウはエリアを急ペースで拡大しているので、どこかでいい感じにウーバーイーツやとロケットナウが「自転車配達員でもいいから配達員を増やしたい」という考えになってくれたら......と自転車を漕ぎながら日々妄想しております。

文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

このニュースに関するつぶやき

  • 違法モペットを使っている配達員も少なくないんだろうね。警察が本気出してガチガチに取り締まって、相手が日本人だろうが外国人だろうが違法モペットを殲滅しましょう。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングトレンド

前日のランキングへ

ニュース設定