木・布・草がタッチパネルに? 技術展示会で見つけたユニーク技術 「触り方で反応が変わる毛皮」も

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2025年10月16日 07:50  ITmedia NEWS

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毛皮をつつくとPC内のキャラクターが嫌がる声を上げる

 木材や布、人工芝といった身近な素材がタッチパネルとなり、ディスプレイや照明を操作できる――ジャパンディスプレイ(東京都港区)は、幕張メッセで開催中の「CEATEC 2025」で、センサー技術「ZINNSIA」(ジンシア)の試作展示を行っている。量産はこれからで、住宅、車載、玩具、照明機器などへの展開を見込む。


毛皮をつつくとPC内のキャラクターが嫌がる声を上げる


 ZINNSIAは、スマートフォン画面にも用いられる静電容量方式を応用したタッチセンサーで、特徴は感度の高さにある。絶縁体であれば、布、大理石、ウレタン、革などの素材を挟んでも動作し、最大5cmまでの距離で指の接近を検知。木材では厚さ10cmまで対応し、接続したモニターや照明などの外部機器を操作できる。


 もとはコロナ禍に開発された「空中操作型タッチパネル」の技術を応用したもので、非接触操作へのニーズから生まれた高感度センサーを改良。素材の裏側に仕込むことで、外観を損なわずに“素材そのものを操作面に変える”仕組みを実現した。


 展示ブースでは、人工芝・コルクボード・毛皮などの異なる素材に触れると色が変わるライトや、照明の明るさを調整できる木製デスクライト、プラスチック製のボタンに触れて操作するスロット風ゲーム、さわる部位ごとに異なる音を発する人形などを展示。さまざまな形・質感の素材を通じた操作体験を提案していた。


 とりわけ記者の印象に残ったのは、触り方によって反応が変わる「毛皮」のデモだ。やさしくなでると画面内の猫のようなキャラクターが鳴き、つつくと嫌がる声を上げる。実際に生き物に触れているような不思議なリアリティーがあり、担当者は「ペット型おもちゃへの応用も検討したい」と話す。


 タッチパネルとしての活用の他、スイッチの代替にすることも可能なことから、担当者は「デザイン性を重視した製品の開発につなげていきたい」ともコメント。現在は、採用に向けたテストを複数社と進めており、今後は住宅メーカーや自動車業界など、ディスプレイ以外の分野にも展開を広げたいとしている。



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