2025年をもってドライバーとしてのキャリアを終えることになったダリル・オーヤンと家族 10月15日、クラフト・バンブー・レーシングは、チームディレクターでもあるダリル・オーヤンが、2025年をもってレーシングドライバーとしてのキャリアを終えると発表した。今後はチーム運営に集中していくことになる。
カナダ生まれの中国人ドライバーであるオーヤンは、アメリカでレースキャリアをスタートさせ、フォーミュラを経てアジア、さらにさまざまな世界選手権で活躍してきた。ポルシェカレラカップアジア参戦やマカオGTカップ、FIA GTなどで活躍。ル・マン24時間出場も果たした。
2010年には、イギリスのバンブー・エンジニアリングに加わりWTCC世界ツーリングカー選手権に参戦。インディペンデントクラスのトップランカーとして活躍し、2010年から2013年までシリーズに挑戦した。またDTMドイツ・ツーリングカー選手権にも参戦した経験をもつ。
香港のモータースポーツを牽引する存在として、香港スポーツスター賞を受賞した経験をもつオーヤンだが、2025年をもってドライバーとしてのキャリアを終えることになった。10月17〜19日に中国の北京で開催されるGTワールドチャレンジ・アジア最終ラウンド、そしてGTカップでキャリア5勝を飾るなど、華々しい結果を残してきた地元香港にほど近い、マカオでのグレーター・ベイエリア・GTカップでメルセデスAMG GT4エボをドライブするのがラストレースとなる。
「モータースポーツの世界で、これほど長く素晴らしいキャリアを築けたことは本当に幸運だ。家族の支えを得て8歳でモータースポーツの世界に入ったけど、まさかレースで生計を立てられるなんて思っていなかったし、37年間も続けることができたのはまさに夢の実現だと思う」とオーヤン。
「モータースポーツは僕に多くの人生の教訓をもたらしてくれたし、ドライバーとして限界に挑戦するだけでなく、スポーツにおけるビジネスを経験し、深める機会を与えてくれた。この数年間は多くの浮き沈みがあったけど、さまざまな人々の支えのおかげで、最高峰で戦うことができた。道のりをともに歩んでくれたすべての人に、感謝の気持ちでいっぱいだよ」
今後、オーヤンはドライバーとしてのキャリアを終え、自身がチームディレクターを務めるクラフト・バンブー・レーシングの成長に向け携わっていくことになる。
「北京でメルセデスAMG GT3をドライブして、マカオで20回目のレースに出場し、ドライバーとしてのキャリアを終えられることにも感謝しているよ。そして、今こそ家族とクラフト・バンブー・レーシングのマネージメント業務のために全身全霊で取り組む絶好のタイミングだと思う」
「家族と、今まで僕を支えてくれたすべてのサポーターに感謝したい。ドライバーからは離れることになるけど、これからもモータースポーツの世界で旅を続けていくことを楽しみにしているよ」
[オートスポーツweb 2025年10月16日]