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「高市新総裁から連立を含めた打診、そして連立を含む首班指名の協力への打診がありました」
10月15日、自民党の高市早苗総裁(64)との党首会談後の会見でこう発言したのは、日本維新の会の吉村洋文代表(50)。連立に向けた政策協議の開始に合意し、協議がまとまれば21日に予定されている首班指名で「高市早苗」と書く意向であると明言した。
自民と維新の党首会談の直前には、野党の一本化を目指す立憲民主党の野田佳彦代表(68)と国民民主党の玉木雄一郎代表(56)、維新の藤田文武共同代表(44)の3者による党首会談が行われたばかり。
玉木氏は基本政策の不一致などを理由に立憲との連立に消極的だったが、自民と維新の連立は寝耳に水だった模様。玉木氏は、同日夜に配信した動画で維新について「2枚舌」などと恨み節を滲ませたが、維新と自民の急接近によって、与野党の攻防は新たな局面を迎えることに。
15日時点では、連立や首班指名での協力は確定していないものの、吉村氏は「高市新総裁の熱量も含めて、本気度も含めて判断をいたしましたので、私、私どもも本気でぶつかっていくということになります」と前向きな姿勢を見せた。
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公明党が離脱し、自維連立政権の樹立が現実的となってきたが、大阪府知事でもある吉村氏は昨年5月17日に矛盾する発言をしていた。
当時、裏金問題や統一教会との接点などから逆風が吹いていた自民党。大阪府知事としての囲み会見で記者から次の衆院選を見据えて、仮に与党が過半数割れした場合に、与党連立入りする考えはあるかを問われた吉村氏は、仮定の質問に答えるのは難しいとしつつ、次のように回答した。
「僕自身が思うのは、維新が与党入りしたら維新は消滅すると思います」
続けて「自民党にのまれて、1期はいけるかもしれませんけども、自民党と一緒でいいわけですから」と維新の存在意義がなくなるといい、「与党入りしなくても政策は実現できると思います」と政策実現のために与党入りする必要はないと説明。
「基本的に僕は自民党とは違う価値観だと思っています。もちろん、なんでも反対、批判するわけではないですが」と企業団体献金の方を向いて政治をする自民党の近視眼的な政治を批判し、「次世代のことを考えた政治をやるべき」と、自民との価値観の違いを強調した。
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最後は「なぜ1票を投じてくれているのかっていうのを考えたら、やっぱり維新の価値観に基づいてやってきていることがあるからこそ、自民ではなく維新に投票していただいてる方がいるということを、僕は忘れてはいけないと思います」といい、改めて「僕自身が思うのは、維新が与党入りしたら、維新は消滅すると思います」と明言した。
“自民との違い”を明確に訴えていたものの、その約1年半後に連立に向けて前向きな協議を始めた吉村氏。
真逆の動きを見せている吉村氏に、Xでは矛盾を指摘する声が上がっている。
《このよう吉村洋文の発言には一貫性はまったくありません》
《あれ、与党に混ざったら維新は消滅する(存在意義がなくなる的な意味かと)ってヨシムラはん言ってなかったっけ?》
《本人が言ってるのおもろい 大阪市民としてはほんとに与党入りは辞めてほしい自民に操られて関西に負担を強いてくる絶対》
《大阪府民って自民が嫌いだから維新に投票してたんじゃなかった?もう維新いらんよね》
16日、自民と連立することで「(党が)消滅するリスクはあると思う」とした上で、「日本の本質的な構造改革を本気で実行していく機会があるならば、消滅するリスクを負ってでも日本のために挑戦すべきだと考えている」と意気込んだ吉村氏。
公明党が連立離脱する大きな要因となった「政治とカネ」に、厳しい姿勢をとってきた維新。価値観の違いをどう乗り越えるのか、今後の展開から目が離せない。
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