IIJmioはJALモバイル・DMMモバイル効果もあり好調 U-NEXTセットプランでデータ容量増にも期待

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2025年11月08日 16:40  ITmedia Mobile

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IIJの2025年度上半期の業績

 IIJ(インターネットイニシアティブ)が11月7日、2025年度上半期の決算を発表した。売り上げが1619.1億円で前期比10.1%増、営業利益が153.9億円で前期比30.6%増の増収増益となった。


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 IIJの谷脇康彦社長は、「幅広い業種でネットワークの更改が進展している」ことに触れ、SI(システムインテグレーション)やネットワークサービスが堅調に伸びていることを好調の要因に挙げた。下半期には、月額課金のストック売り上げを伸ばすべく、データ生成やデータ共有に関する新サービスを順次展開していく。


 その一環として、IIJはソニーセミコンダクタソリューションズと、スマート農業向けに土壌水分センサーや灌水(かんすい)ナビゲーションサービスを提供する合弁会社を2026年4月に設立する。ソニーセミコンダクタソリューションズが持つセンサーとIIJが持つ通信技術を掛け合わせて、データ駆動型の農業を目指すという。


 モバイルサービスは、法人向けサービスが330.3万契約、個人向けIIJmioが138.2万契約、MVNEサービスが130.3万契約に達した。特に法人向けサービスが好調で、ネットワークカメラを始めとしたデバイス接続への需要が継続しているという。IIJmioは、ギガプランを他ブランドで展開する「JALモバイル」「DMMモバイルPlus Powered by IIJ」が好調で、契約増に貢献している。MVNEも新規参入事業が増加していることを受け、回線数が堅調に増えている。


 IIJmioではオプションサービスとして、ギガプランとセットで利用できる「U-NEXT for スマートシネマ」10月6日からを提供している。映像サービスをバンドルしたプランはキャリアが中心に提供しているが、ここにIIJmioも乗り出した。谷脇氏は「サービスの多様化や、なるべくIIJmioを使ってもらうという観点で魅力を高めていくことが必要。他のオプションもあると思っている」と話し、U-NEXT以外のサービスについてもバンドルを検討していることを明かした。


 ギガプランでは、2025年3月の改定以降、5GBプランの比率が増えているが、ここ最近は10GB以上の容量を選ぶユーザーも増えているという。U-NEXTのような映像サービスをセットにすることで、より大容量のプランを選ぶユーザーが増え、ARPUの向上も期待できそうだ。


 MVNEについては、ミークモバイルが、MVNO事業に必要なものをパッケージ化して提供する「MVNO as a Service」を10月30日に発表。IIJにとってはライバルになるが、MVNE事業におけるIIJの強みについて、谷脇氏は「モバイルサービスで付加価値を付けていく、用意していたパッケージをリブランディングのような形で提供するといういろいろなモデルがある」ことと、「ネットワーク技術の部分で高い競争力があり、付加価値を付けたい方のニーズに応えられる」ことを挙げた。


 IIJではMVNEの他に、JALモバイルやDMMモバイル、BIC SIMのように、IIJmioのプランをそのまま提供するモデルも用意している。MVNEとしてゼロからサービスを構築するとなると時間やコストがかかるが、既存のサービスをそのまま利用するのなら、それらを圧縮できる。リブランディング可能なMVNOサービスを提供していることはIIJの大きな強みといえる。


 IIJとしても、MVNEやギガプランの提供は、今後も積極的に進めていく考えだ。「弊社自体がMVNOをやりつつ、MVNEという形で、JALモバイル、メルカリ(メルカリモバイル)、DMMなどいろいろなMVNOをサポートする役割を果たしている。他の業態から入ってくることで、今までなかったようなサービスが生まれるのは、とてもいいことだと思う。多業種から引き合いがあり、そういった動きは強めていきたい」(谷脇氏)



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