
エレコムは11月13日、トラックボールの新製品を複数発表した。追加されたのは大型ボールを採用した「HUGE」(ヒュージ)シリーズの「HUGE PLUS」(M-HT1MRS)、コンパクトサイズのトラックボール「bitra」(ビトラ)シリーズでは人差し指操作タイプ(M-MT2MRS)と親指操作タイプ(M-MT1MRS)の3製品だ。
価格はHUGE PLUSが1万9800円、bitraがそれぞれ1万2980円で、販売開始時期はHUGE PLUSとbitra 人差し指操作タイプが11月下旬、bitra 親指操作タイプが12月下旬の予定となっている。
同社公式ダイレクトショップでは先行予約キャンペーンを実施しており、それぞれ3000円オフの1万6800円と9980円で受け付ける。期間は11月18日午後11時59分までだ。なお、受付後の発送は、各製品の販売開始時期と同様であることに留意しよう。
ここでは、新製品の進化ポイントと、同社製マウスをカスタマイズするユーティリティー「エレコム マウスアシスタント」の新バージョンについて紹介していく。
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・【製品レビュー】エレコムの大型トラックボールが約8年ぶりに帰還! 直径約52mmのボールを採用した「HUGE PLUS」という選択肢
●充電式になった約52mmの大型ボールを採用する「HUGE PLUS」
HUGEシリーズは、直径が約52mmの大型ボールと低反発素材のパームレストを使った人差し指操作のトラックボールだ。名前の通り、大きいサイズのデバイスだ。
同社商品開発部 ペリフェラルデバイス課 古畑義矢さんによれば、HUGEシリーズは「楽に手を載せられるデザインや、大型ボールの操作感などが相まって、国内外で人気が高い」製品の1つだという。
しかし、ユーザーから改善してもらいたい点についてのフィードバックも寄せられていた。そこで、HUGE PLUSでは次のような改良を施した。
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1. ベアリング支持ユニットの採用
2. 進化した接続性
3. USB Type-C充電に対応
4. 静音対応
1.ベアリング支持ユニットの採用
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エレコムのトラックボール「IST」(イスト)シリーズで開発され、滑らかさから高い評価を得ていたベアリング支持ユニットをデフォルトで搭載した。これにより滑らかなトラックボールの操作感を得られるようになった。
滑らかさに関しては、横浜技術開発センター内のラボで性能テストが行われた。その結果、動き始めでは人工ルビーの約50%、動作中でも約40%、摩擦力の低減が確認できた。つまり、操作開始から操作中において摩擦抵抗の差が少なく、どちらも軽い力で操作できるということが実証されたという。
そのため、細かい操作からマウスカーソルをディスプレイの端から端へと移動させるような大きな動きまでフォローすることができる。
なお、別売の人工ルビーユニットへ換装することも可能だ。
2.進化した接続性
USBレシーバーを用いた2.4GHz帯の無線接続に加え、有線接続とBluetooth接続の3方式に対応した。
接続先は親指部分にあるスイッチで切り替えられる。有線接続では、ゲーミングマウスに迫るポーリングレート(最大1000Hz)に対応する。また、DPI変更ボタンで500/1000/1500カウントの間でDPIを切り替えることも可能だ。
3.USB Type-C充電に対応
これまで、HUGEシリーズでは単3形乾電池を電源に用いてきたが、HUGE PLUSでは繰り返し充電できる内蔵バッテリーとなった。
また、紛失しがちな引き抜き工具をUSBレシーバー同様、底面フタ内部に収納できるようにした。
4.静音対応
前モデルと同じ10ボタン(チルト含む)を備えるが、そのうち7ボタンを静音対応とした。
ユーティリティーの「エレコム マウスアシスタント」を利用することで、各ボタンのカスタマイズやジェスチャー機能が可能になる。物理ボタンの数以上のショートカットを登録して、トラックボールのみでさまざまな操作を行えるようになった。
●小型タイプの「bitra」シリーズも復活
bitraシリーズは、通常モデルに比べ約30%サイズダウンした、持ち運びしやすい5ボタントラックボールだ。マウスと異なり、動かしたり読み取り面を気にしたりする必要がなく、さらにコンパクトなので狭いテーブルや膝の上などで便利に使うことができる。
従来モデルは2023年に販売が終了したものの、人気が高かったことで復刻版として再登場した形だ。
とはいえ、「同じ製品を復活させたわけではない」と古畑さんは強調する。主に3つの点で進化させた。
1. 接続性向上
2. 利便性向上
3. カラーラインアップの追加
1.接続性向上
前モデルでは、モデルによってUSBレシーバーを用いた2.4GHz帯の無線接続またはBluetooth接続のいずれかでしか接続できなかったが、新製品では1台でどちらにも対応し、最大2台の端末に接続可能になった。
2.利便性向上
これまでも携帯用ポーチが付属していたが、予備の単4形乾電池を収納するスペースを設けた。これにより、電池切れの不安を解消できる。
3.カラーラインアップの追加
以前のモデルではブラックのみの展開だったが、今回からホワイトのカラーバリエーションを追加した。これにより、好みや使っているデバイスに合わせられるようになった。
●ユーティリティーの「エレコム マウスアシスタント」も進化
エレコム製マウスをカスタマイズするユーティリティー「エレコム マウスアシスタント」は、2025年1月14日にVer.5からVer.6へと大幅にアップデートした。なお、現在配布されているのはver.6.1.0だ。
Ver.6では、UIをシンプルなものへと刷新し、複数台の同時カスタマイズへも対応した。また、増加し続ける設定項目にアクセスしやすくすることで、各機能がより使いやすくなった。
エレコム マウスアシスタントでは、マウスボタンにショートカット機能を登録できるだけでなく、マウスの動かし方でアクションを実行する「ジェスチャー機能」も利用可能だ。これにより、物理的なマウスボタンの数以上の機能を割り当てられる。
また、表計算ソフトでは広大なスプレッドシートを素早く移動したいが、画像編集ソフトでは繊細に動いてほしいというように、アプリケーションごとのマウス移動速度を切り替えを自動化する「自動プロファイル切替」機能も搭載している。
ボタンの数が少ないマウスでも、1つのボタンにメインとサブのアクションを割り当てられる。
2026年3月には「ジェスチャー機能Ver.2」と、「ルーラー機能」も追加予定だ。どちらもトラックボール本体に設定を保存できるオンボード搭載モデルに限定されるが、実現すれば、どのデバイスと接続しても設定済みのトラックボールであれば同じジェスチャーで決まった操作を行えるようになる。
現在のところ、オンボード搭載モデル「IST PRO」のみだが、2026年3月にはHUGE PLUSも対象となる。さらに、新しい共通レシーバー「ELECOM Bridge E USBレシーバー」にも対応予定だ。
●圧倒的な存在感を放つHUGE PLUS
新モデルのお披露目会場では、実機や試作品が展示されていた。
これまでの人工ルビーユニットとの操球感の違いを確かめられる展示もあった。
エレコム マウスアシスタントで機能ボタン「Fn3」を押しながらボールを動かすと、アクションするジェスチャー設定が登録されていたが、どのジェスチャーを行ったのか軌跡が見えるようにしているのは「なるほどなぁ」と感じた。これなら、意図しないアクションを起こさずに済みそうだ。
●持ち歩きしやすい2タイプのbrita
一方のbitraは、どちらのモデルも持ち運びしやすそうだ。コンパクトなサイズというだけでなく、携帯用ポーチが標準で付属しているのもありがたい。
単4形乾電池の収納スペースは、電池サイズに合わせたくぼみがあり、トラックボール本体に触れて傷つけたり、不意に飛び出したりすることはなさそうだ。
隣にあるHUGE PLUSと比べるとかなり小さく見えるが、手の大きめな筆者でも操球しづらいと感じることはなかった。
エレコムでは、トラックボール開発のための専属チームが編成されているが、現在のところ同部門でトップシェアを取ることができないでいる。しかし、古畑さんは「今後も、どんどんトラックボールを開発して世の中に出していくことで、シェアNo.1を取れるようになりたい」と語っていた。
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