2025年F1アブダビGP FIA会長モハメド・ビン・スライエム モハメド・ビン・スライエムが国際自動車連盟FIA会長に再選されたことが発表された。手続き上の奇妙な事情により、最終的に彼は唯一の立候補者だった。
選挙は、ウズベキスタンのタシケントで実施され、その結果、2021年にFIA会長の座に就いたUAE出身ビン・スライエムにとって、2期目となる4年の任期が決まった。
当初は、元FIAスチュワードのティム・メイヤー、レーシングドライバーのローラ・ヴィラール、インフルエンサー兼モデルのビルジニー・フィリポといった対抗馬が名を連ねていた。しかし、投票が行われる前の段階で、彼らはすべて脱落することとなった。
その理由は、立候補者は世界6地域を代表する7名の副会長からなるチームを編成しなければならないというFIAの規則にあった。南米では、ビン・スライエム陣営のファビアナ・フロシだけが擁立される資格を持っていたため、他の候補者たちはスタートラインに立つことすらできなかった。
ティム・メイヤーはこの選挙プロセスを「民主主義の幻想」だと厳しく批判し、資格を持つ副会長の一部が「立候補しないよう説得された、圧力をかけられた、あるいは何らかの見返りを約束された可能性がある」と示唆した。
ヴィラールはさらに一歩踏み込み、この民主的とは言い難い仕組みを理由にFIAを提訴した。パリの裁判所は2月16日に本格審理を予定しており、今回の再選が無効とされる可能性も残されている。
FIAは、プレスリリースにおいて「選挙はFIAの定款に則り、強固かつ透明な投票プロセスを通じて実施されたものであり、連盟の民主的基盤と世界中の加盟団体の総意を反映している」と強調した。
ビン・スライエム本人は、以下のようなスピーチを行った。
「多くのFIA加盟団体が投票に参加し、再び私に信頼を寄せてくれたことに感謝する。我々は多くの障害を乗り越えてきたが、今日ここに集い、これまで以上に強くなっている」
「FIA会長を務めることは本当に名誉なことであり、今後もFIAのため、モータースポーツのため、モビリティのため、そして世界各地域の加盟クラブのために尽力していく所存である」
[オートスポーツweb 2025年12月13日]