
ストリーミング全盛の時代に、あえてレコードを手に取る若者たちが増えています。なかでも再評価が進んでいるのが、1970〜80年代に日本で生まれたシティポップです。
レコード盤で聞くシティポップは、単なる音楽再生ではありません。ジャケットを眺め、盤を取り出し、針を落とす──その一連の行為そのものが、音楽と向き合う“体験”になっています。この「不便さ」こそが、効率重視のデジタル世代にとっては贅沢であり、プレミアムな価値として映っているようです。
そんなシティポップ、実はいま、海外でも人気が高まり続けています。
シティポップは、日本が経済的に活気づいていた時代の空気をまとった音楽です。ジャズやファンク、ディスコの影響を受けつつ、そこへ日本独自の洗練されたポップセンスが融合したジャンルです。
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近年、このサウンドがYouTubeやTikTokを通じて海外で再発見され、逆輸入の形で日本国内にも広がるといった動きが見られます。
実際、2025年12月6日、杏里の「悲しみがとまらない」をBGMに、大阪・道頓堀で早朝に踊る男性のTikTok動画には、「日本のシティポップが大好き」「もっと有名な日本のシティポップを教えて!」「日本らしさを感じる最高の映像」といったコメントが世界中から寄せられました。
また、中原めいこの「Fantasy」を使った別の投稿にも、「この曲、本当に名曲」「懐かしい気持ちになる」「日本のアニメのオープニング曲が頭に思い浮かぶ」といった反応が並び、80年代日本の音楽が今も新鮮に受け取られていることがわかります。
このブームはノスタルジーだけでは説明できません。
日本のレコード市場は2024年に生産額およそ79億円と、1989年以来の高水準を記録しました。その背景には、Z世代や訪日外国人、そして職人技を支える企業の存在があります。
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例えば、ナガオカ(NAGAOKA)が製造するレコード針は、世界シェア約90%とも言われています。“不便なアナログ”を高品質な体験へと昇華させる力——それこそが、日本のレコード文化の底力といえるでしょう。
ストリーミングが「アクセス」だとすれば、レコードは「所有」。流し聞きではなく、音楽と向き合う前景の時間が、若い世代にも支持されているのかもしれません。
海外でもシティポップアーティストの人気は高まる一方です。山下達郎、竹内まりや、大貫妙子、杏里、吉田美奈子、角松敏生、大橋純子、松原みき……いずれも海外で高く評価され、その作品は中古市場で価格が高騰するばかりです。
レコードは音楽の未来そのものではありません。しかし、効率一辺倒の時代に「意味」や「儀式」を取り戻す存在として、確かな居場所を築いています。シティポップの再評価は、ただの懐古ではなく、音楽をもう一度“特別なもの”として味わう動きなのかもしれません。
あなたはどう感じますか? レコードに針を落とすその一瞬に、今だからこそ“引きつけられる理由”があるのではないでしょうか。
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Real Gaijin「Japan’s Vinyl Comeback: How Gen Z, City Pop, and a "Sunset" Needle Maker Sparked a Global Boom」
Shutter Groove「8 Best Japanese City Pop Vinyl Records For Vinyl Collectors」
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