『【Amazon.co.jp 限定】データでわかる東京格差 数値の「可視化」で真実をあぶりだす(特典:「未収録原稿」 データ配信) (SB新書 707)』にゃんこそば SBクリエイティブ もうすぐ引っ越しシーズン到来。春からの新生活に向けて転居先をお探しの方も多いのではないでしょうか。子育て世帯の場合には教育環境を重視し、いわゆる"学区物件"、つまり公立小中学校の学区から物件を探す家庭も多いようです。
そんな住まい探しを検討中の世帯に向けておすすめしたいのが、書籍『データでわかる東京格差 数値の「可視化」で真実をあぶりだす』です。著者のにゃんこそばさんは、行政や民間企業のオープンデータをグラフや地図でビジュル化し、SNSでも多数発信しています。"データ可視化職人"の呼び声も高く、統計データをわかりやすく説明するスタイルに定評があります。前著『ビジュアルでわかる日本 データに隠された真実』では、オープンデータをもとに都道府県の文化圏および経済格差を明らかにしました。
最新作となる本書では、東京23区を中心に地域格差から教育格差までを読み解きます。例えば、第3章「『お受験熱』が高い街、低い街はどこ?」では、鉄道路線から文教エリアを考察し、以下のように述べています。
「教育をめぐる地域差は、学校や塾へのアクセスという地理的条件と、親の学歴や所得といった経済資本、そして地域に根づく価値観が複雑に作用した結果である、ということです。また、お受験熱が高いと言われる地域でも、一定数の子どもは地元の小中学校に通っていることも忘れてはなりません。我が子に合った学びの場はどこなのか、画一的な成功モデルにとらわれず、多くの選択肢の中からベストな道を探していきたいものです」(本書より)
ファミリー層ならとくに読んでおきたいのが、第4章「お金持ちの分布と職業格差を可視化!」です。茶の間でもおなじみのアニメ『サザエさん』と『クレヨンしんちゃん』を例に挙げ、それぞれの住環境を取り上げています。
本書によれば、サザエさん一家の住まいは東京都世田谷区の5DKの平屋一戸建て。磯野波平とフグ田マスオの年収は「それぞれ1,100〜1,400万円、700〜800万円ほど」(本書より)とされています。推定価格は「桜新町の相場では、土地2〜3億円、建物5000万円で合計2億5,000万円から」(本書より)とのこと。アニメで描かれる庶民的なマイホームは、令和の時代を生きる私たちには、とうてい手が出せない存在になってしまったことがわかります。
一方、埼玉県春日部市の庭付き2階建てという設定の野原一家のマイホーム。毎日の通勤や買い物にも便利な立地ということから「新築の場合は3,000〜4,000万、注文住宅で6,000〜7,000万円といったところ」(本書より)と推定されています。気になる野原ひろしの年収ですが、同業種の中央値から推定すると「600〜700万円ほど」(本書より)と考えられます。となれば、ひろしのシングルインカムで、子どもたちの教育費用や住宅ローン返済まで賄いきれるのでしょうか。
本書では「令和の時代を生きる野原みさえさんは、専業主婦ではなく、ひろしと協力して2人の子どもを育てるワーキングマザー(ワーママ)になっているのかもしれません」(本書より)とユーモアを交えて結んでいますが、春日部市のような「郊外」であっても、共働きでないと住居購入は難しいのが現実のようです。
仮に、いわゆる"パワーカップル"と呼ばれる共働きの高所得世帯であったとしても、住宅購入は簡単な話ではありません。本書のデータによれば、同じ郊外でも、これから成長が見込めずに衰退するエリアと、ポテンシャルが高いエリアとの二極化が進むことが予想されます。どのエリアで、どんな教育環境で我が子を育てたいのか、実際に足を運んで雰囲気を感じ、自分なりの判断基準を形成することが住環境選びの第一歩と言えるでしょう。
ライフステージによって柔軟な対応が求められる子育て世代であれば、意識的に選択肢の幅を広げ、メディアのランキングなどの先入観に踊らされるのではなく、自分軸で住むエリアを見つけたいもの。本書を片手に街歩きをすれば、あなただけの"子育てしやすい街"を見つけられるかもしれません。
[文・山口幸映]
『【Amazon.co.jp 限定】データでわかる東京格差 数値の「可視化」で真実をあぶりだす(特典:「未収録原稿」 データ配信) (SB新書 707)』
著者:にゃんこそば
出版社:SBクリエイティブ
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