自身の率いるベルゲン・モータースポーツ・エボリューションとともに国際ラリークロスに復帰のアンドレアス・バッケルド 世界選手権レベルで7度の優勝を記録し、デュアルサーフェスで争われるラリークロスでの活躍でファン人気が高いアンドレアス・バッケルドが、自身の率いるベルゲン・モータースポーツ・エボリューションとともに国際ラリークロスに復帰。欧州格式のユーロRX1で2021年に、そしてスーパー1600(現ユーロRX3)で2回、計3度のFIAヨーロッパ・ラリークロスチャンピオンに輝いているノルウェー出身の才能が、ここまでのキャリアで「未完の仕事」を成し遂げ「パズルの欠けているピースを完成させたい」という燃える意欲を表明した。
その多彩な経歴にはPPIHCパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムを筆頭に、フランスの誇るアイスレースであるアンドロス・トロフィー、デンマークのサンダースポーツ選手権、DTMドイツ・ツーリングカー選手権でのテスト、そしてスポーツカー耐久やGTレースなどが含まれるバッケルドだが、本職では北米発のナイトロクロスや、ワンメイク電動オフロード選手権のエクストリームEでも同様に優れた成績を収めており、後者ではわずか4カ月前にシリーズ最終戦で優勝を果たしている。
しかし、そんな成功にも関わらず、彼は「まだ達成していないことがひとつある」と主張する。
「まだやり残したことがあると感じている」と、ポッドキャストの新シリーズ『Talking Loose(トーキング・ルーズ)』に出演し、インタビューに応じたバッケルド。「ラリークロスでヨーロッパ・チャンピオンになり、世界選手権で銀メダルと銅メダルを獲得した。ナイトロクロスでも準優勝したが、ご存知のとおり、これだけのことを成し遂げてもまだ、パズルのピースがひとつ欠けているんだ」
そのバッケルドが言及しているのは、切望されたWorldRX世界ラリークロス選手権のドライバーズタイトルであり、2019年にはあと一歩のところでタイトル獲得に近づいた。当時、南アフリカでのシーズン最終戦で、宿敵ティミー・ハンセンと劇的な展開となり、ふたりは決勝オープニングラップで衝突。両者ともそのままレースを続行し、最終的にはスウェーデン出身のハンセンがカウントバックで勝利を収めた。
「そのことを乗り越えるのに長い時間が掛かった」と率直に認めたバッケルド。「翌年、フランスでエクストリームEのテスト中にティミーに会ったのを覚えている。彼は『チャンピオンシップタイトルがもたらすものはもっと大きいと思っていた』と言っていた。実際はそうではなかったが、最終的にはそのとおりになった。なぜなら、彼はエクストリームEのようなチャンス、良い給料、良いチームでの優れたマシン、そしてパートナーシップといったものをすべて手に入れたからだ。一方、僕はそのチャンスにまったく恵まれていないと感じていた」
「最終的に、エクストリームEはヨハン・クリストファーソンの出場を切望し、ペター(・ソルベルグ)を獲得しようとした。ティミー、マティアス(・エクストローム)、カルロス・サインツ、ジェンソン・バトンなど、元ワールドチャンピオンのドライバーたちを次々と獲得した。僕はFIAの世界タイトルを持っていなかった。だから、彼のキャリアにプラスになったのは確かだけど……それでも僕にはまだチャンスがあるし、心には弾丸も残っている!」
そう「反撃」を誓うバッケルドだが、現在の中断からWorldRXが再開されるまで数シーズン待たなければならない。しかし再開された暁にはクリストファーソンに挑戦し、彼を打ち負かして最高の栄誉を獲得するという大きなモチベーションを隠さない。
今から7年前、バッケルドとハンセンが栄冠をかけて熾烈な戦いを繰り広げた際、現代の“絶対王者”はまだグリッド上にいなかった。しかし2017年以降、彼に真っ向勝負で勝ったドライバーはいない。ユーロRXに復帰するバッケルドは、その最初のドライバーになりたいのだ。
「今、僕が始めた旅は、2028年の世界選手権に向けて良い位置につけるためのものだ」と決意を明かすバッケルド。「マシンだけでなく、人員面でも、すべてをまとめ上げ完璧な状態にしたいんだ。ヨハン・クリストファーソンを倒したい。たった1度だけでも。皆と同じようにね! 彼は信じられないほどのスキルと強さを持つドライバーで、彼と彼のチームのことをいつも考えている。そして、どうやって彼らに勝つか……僕の中で燃え上がる思いなんだ」
「だから、こうしてベルゲン出身のチームを含め、身近な人たち全員を集めて、このチームを一緒に作り上げ、タイトルを獲得することでチャンピオンシップに確固たる足跡を残したい。その後の未来は分からないが僕も歳を重ねている。周囲には『31歳か32歳だ』と言っているが、実は今年35歳なんだ(笑)。信じられないくらいだが、精神的にはまだ20歳になったばかりのような気分だ。だから世界選手権のタイトルを獲得して、ベルゲン出身で一番自信家な男として街を闊歩したい。コナー・マクレガー(アイルランドの総合格闘家、UFC史上初の2階級同時世界王者)も敵わないぐらいのね!」
[オートスポーツweb 2026年02月13日]