木村拓哉 公式Instagramより やっぱり木村拓哉はすごい。以上。
言いたいことはほぼそれに尽きるわけだが、2月20日に主演映画『教場Requiem』の公開を迎えた木村拓哉への高評価のようなものが、このところさらに増しているように感じられる。
昨年公開された倍賞千恵子とのダブル主演映画『TOKYOタクシー』も、初週の週末動員が半年ぶりに東宝以外の作品での1位を記録、『武士の一分』(2006年)以来続く、木村メイン出演作品の週末1位記録も更新された。
『教場Requiem』との二部作構成としてNetflixで独占配信された前編にあたる『教場 Reunion』も映画国内ランキング1位を獲得している。
◆キムタクがSNSを更新するたび話題になっている
映画の好調さに限った話ではない。
たとえば木村が自身のインスタグラムに投稿した写真で着用していたフリース衣料。
投稿では触れていなかったものの、それがワークマンの安価なものであるということが判明し「キムタクがワークマンを着てる! そしてそれをさりげなくかっこよく着こなすキムタク!」 と話題を集め、その後同じ商品がフリマサイトで高額転売されるという現象も巻き起こした。
かつて『HERO』で着用したダウンジャケットが大流行したことを思い出させてくれるようで、高い影響力を誇るタレント力は今なお健在であることが実感できた。
昨夏には自身のYouTube チャンネル内の企画「木村さ〜〜ん!」で人気の家系ラーメン店を訪れ家系ラーメンを体験、その美味しさに感激しきりであったキムタク。
終盤に店舗のスタッフに感謝をこめて順番に握手していったところ、あるスタッフが「自分の手が脂で汚れているから」と握手を遠慮したら「この(手の)おかげっすよ!」と笑顔で手をとる器の大きさも話題を集めた。
さらにはロッテ「プレミアムガーナ」のCMで、口に入れたあと余計な感想を言うでなく、ただ黙り込むことでその美味しさを感じさせてくれるさまも好評を得ている模様。
◆ここ数年でアンチが減ったワケ
言うまでもないことだが、木村拓哉は平成の時代からずっと「スター」であり続けてきた。
前述のとおり、2026年の今も木村拓哉のもつタレントパワーみたいなものは変わらず、なんだかんだみんなキムタク大好きなんだなということを、こういった反応から実感する。
とはいえ、キムタクは押しも押されぬスーパースターである一方で、アンチの数も相当多いという認識がずっとあった。
90年代半ばのSMAPブレイク時からなにかと叩かれる機会も多く、2016年のSMAP解散時にはジャニーズ事務所(当時)に残るという判断をしたことで、裏切り者のような言われ方もあったことも記憶に残る。
そういったネガティブな反応が、このところめっきり減ったような印象を受けるのである。
現在の好感度の高まりは木村拓哉個人によるものばかりではなく、妻の工藤静香、娘のCocomi・Kōki,姉妹の“木村ファミリー”がものすごく人気になったことも大きい気もする。
木村ファミリーの話題は、多くの人が気になることで、そしてこのところはほぼ全て好感をもって迎えられているという、どこか“ロイヤルファミリー”化が進んでいるのではないだろうか。
工藤静香との結婚には当時賛否両論あり、工藤へのバッシングもかつてはよく見かけた印象はあるが、その工藤バッシングも、木村ファミリーのロイヤルファミリー化とともに薄らいでいったような気がする。
◆娘たちから供給される“父キムタク”の素顔
これは、年齢を重ねたことで、時に強力なアンチを生むことがある「アイドル性」が木村から失われたわけではないと思う。
いわゆる「いい年の取り方をした」とはまた違う。個人の印象だが、キムタクは今もずっとキムタクのままであり続けている。
“国民的アイドル木村拓哉”というパブリックイメージにはずっとブレはないのではない気がする。
一般的には多くの人にとっては近寄りがたいカリスマ性よりも、少し隙があるぐらいのほうが受け入れられやすい時代ではある。そこを、2人の娘のSNSの投稿やトークなどで明かされる、父親としての家庭人木村拓哉像が、キムタクをいじっても誰も怒らない位置から提供されたことは大きい。
「飾らない」というのはキムタクの魅力のひとつであるが、それは時には「意識高い」位置から発せられることも時折あり、それによってスター性は保ち続けるとともに、アンチ的感覚も継続させてきた側面はあるだろう。
そんな“国民的アイドル木村拓哉”というパブリックイメージを軽々と崩し、かついい方向に着地させてくれる娘たち。
そこには家族仲の良さがあってのことであり、アイドルグループ内でもメンバーの仲の良さを求められることの多い時代だからこそ、その仲良しオーラがいつしか木村ファミリーの好感、そして木村拓哉個人への好感や再評価につながっていったのではないだろうか。
◆決してブレない唯一無二の存在になった
さらにいえば、不倫などの芸能人のスキャンダルが起こるたび、キムタクは結婚後にそのような噂やスキャンダルが一切ないことがSNSなどで取り沙汰されていた。
近年、好感度の高いタレントや俳優の不倫が連発したことでも、その夫婦、家族の安定感を強く意識する機会が多かったことも大きいのではないだろうか。
そしてそれは、そのような家族仲も含め、前述した本人がブレなく「キムタク」像を貫き続けた結果なのだろう。
男性アイドルは、長く活動を続けるうち、俳優業に力を注いだり、アーティスト性の高いシンガーになったりするなどその方向性は年齢とともに変化していく。そして時にはその変化にファンが戸惑うこともあったりする。
木村の場合、俳優活動は言うまでもなく、ソロアイドルとしての歌手活動、そしてバラエティやYouTubeなども含めてさまざまな顔を見せるが、それはすべてみんなが思う「キムタク」のままであり続けてきた。
バラエティでも、「アイドルなのに」という部分も見せず、かっこいいまま、キムタクのままで笑いをとる。これはなかなか他のアイドルにはできないかと思う。
かつてはそれを「何をやってもキムタク」と揶揄されることもあった。『教場』シリーズだってそういう向きもあるかもしれない。
しかし、それでよかったのだろう。キムタクはキムタクのままであり続けたことで、いわゆる「昭和のスター」ともまた違う、類型が存在しない存在になったというのが現在の位置な気がする。
それゆえに、この先がどうなっていくのかは全くわからない。木村本人でなく、家族の誰かの評価が変わることで、木村の好感度が爆下げとなることだってあるかもしれない。
ファミリーの好感度をどう保たせてくれるのか、それを見守っていきたい。
<文・太田サトル>
【太田サトル】
ライター・編集・インタビュアー・アイドルウォッチャー(男女とも)。ウェブや雑誌などでエンタメ系記事やインタビューなどを主に執筆。