写真 ホワイトデー目前、彼の部屋で高級バッグの包みを見つけたら……当然期待してしまいますよね? 今回は、そんな期待を一気に裏切られてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。
◆同棲している彼と迎える初めてのホワイトデー
松村未来さん(仮名・29歳/フラワーショップ勤務)は、恋人の雄大さん(仮名・28歳/会社員)と年明けから同棲生活を始めました。
「一緒に住み始めて初めてのバレンタインデーは、サプライズでチョコレートフォンデュパーティーをしたんです。そしたら雄大が『すごい! こんなの初めてだよ』とテンション高くめちゃくちゃ喜んでくれて」
幸先の良いスタートに、未来さんはこの同棲生活に期待を膨らませたそう。
ところがホワイトデーが近づいたある日、何気なく雄大さんの部屋に掃除機をかけに入った時、違和感を覚えました。
「机の下の空洞に、ブランド物の、大きさ的にバッグと思われる包みが隠してあるのを見つけてしまって。バレないようにそっと椅子を元の位置に戻して部屋を出ました」
未来さんは「絶対にあれは私へのホワイトデーのプレゼントに違いない!」と胸を躍らせ、当日を心待ちにしていました。
◆彼からのプレゼントに拍子抜けしてしまった
しかし迎えたホワイトデー当日、雄大さんが差し出したのは、少し高価そうではあるものの、可愛らしい缶に入ったサブレだったそう。
「はっきり言って拍子抜けしてしまいましたね」
どうしても気になってしまい、未来さんは意を決して、あのバッグについて正直に尋ねました。
「すると雄大は、悪びれる様子もなく照れ笑いを浮かべながら言いました。『ごめん、あれは母さんへのホワイトデーのプレゼントなんだ。昔から母さんは毎年僕がモテてチョコをいっぱいもらえるようにって、靴やらジャケットやらをくれてさ。僕も母さんにずっと綺麗でおしゃれを忘れずにいてほしいから、お互いにプレゼントを贈るのが恒例行事なんだ』と」
さらに「僕と未来ちゃんも関係を重ねてプレゼントし合っていくから、いずれバッグをあげる日もくるからね」と、さもロマンチックなことを言っているような口ぶりだったそう。
ですが未来さんは、その言葉にときめくどころか、強い違和感を覚えました。
「え、それって一生私は雄大のお母さんには勝てないってこと? もう私がいるんだからモテる必要もないですよね。しかも雄大のお母さんがプレゼントした靴は正直言ってセンスの良いものではなくて……何だか2人の関係にちょっと気持ち悪いものを感じてしまいました」
最初は、「もしかしたら自分が彼のお母さんに嫉妬しているだけなのかも」と無理やり気持ちを納得させようとした未来さん。
しかし、その考えはすぐに打ち砕かれます。
◆義母から耳打ちされた“あり得ない内容”とは
ある日、雄大さんのお母さんが旅行のお土産を持って2人の部屋を訪ねてきた時のこと。雄大さんがトイレに立った隙に、未来さんに耳打ちするように言ったそうです。
「このバッグ、雄大がホワイトデーにくれたの。あなたはまだサブレだってね。まだ小学生のプレゼント交換レベルね」
鼻で笑うようなその態度に「この人には警戒しないといけない」と本能的に感じたそう。
この出来事をきっかけに、未来さんは雄大さんが「無意識のうちに、呼吸をするように、母親を最優先している」ことに次々と気づいていきました。
「このまま雄大のお母さんの本性を知らないまま結婚したりせず、本当によかったと思いました」
そして考え抜いた末に「同棲を解消しましょう」と雄大さんに告げたそう。
「雄大は自分の何が悪かったのか全く分かっていない様子で、私のわがままな心変わりだと受け止めたようでしたね」
その後、未来さんは無事に引っ越しを済ませ、今では気楽な一人暮らしを満喫しています。
「もう雄大に対しては、お母さんと好きにプレゼント交換して喜んでいろよって感じです。私は自立した素敵な男性を見つけたいと真剣に思い、マッチングアプリに登録したり、友人たちに『良い男性がいたら紹介してくれない?』と言って回ったりしています」と微笑む未来さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop