06年のヴィクトリアマイルはダンスインザムードが制した(06年5月、撮影:下野雄規) 今年で創設20年を迎えるヴィクトリアマイルでは、数々の名牝が勝利を収めてきた。その歴史の幕開けを飾ったのが、初代女王のダンスインザムードである。前々年の桜花賞以来、約2年ぶりの勝利を手にした06年の戦いを振り返ろう。
ダンスインザムードは父サンデーサイレンス、母ダンシングキイ、母の父Nijinskyの血統。95年オークスと96年エリザベス女王杯を制したダンスパートナー、96年菊花賞を制したダンスインザダークの全妹となる超良血馬だった。デビューから4連勝で04年桜花賞を勝ち、きょうだい3頭目のクラシックウイナーに。ただ、その後は悔しいレースが続いた。04年のアメリカンオークス、天皇賞(秋)、マイルCSとGIの2着は3回。連敗は14に伸び、迎えた一戦が06年のヴィクトリアマイルだった。
この年が第1回だった記念すべきレース、前年に桜花賞とNHKマイルCを制したラインクラフトが1番人気に支持された。続く2番人気がダンスインザムード。そして3番人気が前年の秋華賞馬のエアメサイアだった。ゲートが開くと伏兵のマイネサマンサがハナに立ち、前半1000mが59秒7と緩めのペースに。そんな中、絶好の先団インで脚をためたのがダンスインザムードだった。ラインクラフトは中団から。これをマークするようにエアメサイアが運んだ。迎えた直線、各馬が伸びあぐねる中、内から手応え良く抜け出したのがダンスインザムードだった。あっさりと後続を突き放すと、外から追い上げたエアメサイアに1馬身1/4差をつけてゴール。完璧な立ち回りで、初代女王の座をつかみ取った。
ダンスインザムードにとっては2年ぶり2回目となるGI制覇。そして鞍上の北村宏司騎手はデビュー8年目で悲願のGIジョッキーの仲間入りを果たしたのだった。それも師匠の藤沢和雄調教師の管理馬とあって喜びもひとしお。まさに人馬の絆が結実した戴冠劇だった。