
沿道で待っていた人々からの大歓声を受けて、ほほ笑まれた雅子さま。
7月3日夕方、天皇皇后両陛下は、オランダ、ベルギー公式訪問から帰国したことを上皇ご夫妻に報告するために、仙洞御所を訪問された。ある宮内庁関係者はこう語る。
「天皇陛下も雅子さまも笑みをたたえられていましたが、いま皇室は重大な局面に立っており、お二方とも憂悶の日々を送られていると拝察します。
皇室典範改正にまつわる各党・各会派の代表者による協議では、皇位継承については議論をしないという前提がありました。
しかし、ふたを開けてみれば、旧宮家からむかえた養子の子が男性であれば、皇位継承資格を持つとされているという、“男系男子による継承のため”の改正案だったのです」
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さらに皇室の方々にとって看過できないのは、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案についての記述だった。
「改正案では、結婚後も皇室に残る女性皇族について、住民基本台帳法を改正して、同法を適用するなどと定めています。
つまり、夫と子は一般国民として扱うという内容にほかなりません。“立法府の総意”をまとめる過程では、その点は引き続き議論すると合意されたにもかかわらず記載されたことに、一部野党から強い批判が上がっているのです。
男性皇族と女性皇族を差別し、女性皇族本人にもその子供にも皇位継承権を与えないという、高市政権の強硬な姿勢が伝わってきました。宮内庁内部でも“寝耳に水だ”と困惑の声が広がっています。一部報道では『制度がいびつで、結婚を踏みとどまってしまう皇族もいらっしゃるのではないか』と懸念を示した側近もいるそうです」(前出・宮内庁関係者)
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、次のように話す。
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「女性皇族の結婚について、お相手やお子さんの身分についての議論は保留とされていたにもかかわらず、女性皇族も結婚の際に一般国民と同じように住民基本台帳に登録するという内容が付け加えられました。
このように男系男子による継承を堅持しようと、保守派が姑息ともいえる手段を講じていることに不信感が募るばかりです。戦後の皇室が多くの女性皇族に支えられてきたことを認めようとせず、まさに女性皇族の軽視にほかなりません」
■「ジェンダー平等」を訴えてきた佳子さま
6月29日、高市早苗首相は天皇陛下に、国政について説明する内奏を行うために皇居に参内した。前出の宮内庁関係者が続ける。
「当然、皇室典範改正案についての説明もあったと思いますが、天皇陛下も、高市政権が“立法府の総意”にもない事項も含めた法案を国会に提出したことは、不快に思われているに違いありません。
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陛下は6月の記者会見でも皇族数の確保のあり方については、『国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります』と述べられていました。しかし政府が提出する法案は到底、国民の理解を得られるものではありません。
皇室典範改正案の説明に対して陛下は『ご苦労さまです』『わかりました』といった、一般的に承認を意味するような言葉は発せられなかったと思います」
高市政権による“女性皇族の軽視”は、女性皇族のリーダーである雅子さまにとって容認できない重大な事態である。
「女性皇族方にとっては、結婚後も皇族の身分を保持する案のほうが喫緊の課題だったにもかかわらず、自民党や日本維新の会は養子縁組案を優先しており、もともと大きな意識のズレがあったといえます。
さらに保守派は、女性皇族が当主となって家族一体で活動する『女性宮家』も女系天皇への道を拓くとして反対し続けています。愛子さまの母であり、女性皇族の活躍を求め続けている雅子さまも、頑なに男子を優先する保守派の発言に対しては違和感を覚えられていたことでしょう。
もちろんほかの女性皇族も同様かと思いますが、そのなかでもひときわ強い違和感を覚えられていたのは佳子さまだったそうです。佳子さまはかねて『女性の活躍』『ジェンダー平等』を訴えられてきたからです」(前出・宮内庁関係者)
冒頭のように天皇陛下と雅子さまが仙洞御所を訪問された7月3日、横浜市の「横浜訓盲学院」を視察されている。皇室担当記者によれば、
「横浜訓盲学院は、日本唯一の私立盲学校で、ほかの障害も重複する生徒34人が通っています。佳子さまは点字のタイプライターを打ったり、ブロックを手でさわって絵と文字を合わせる練習をしたりする様子を見学されました。生徒たち一人ひとりの手を握ったり、ふれあったりして会話を楽しまれたのです。
音楽の授業が行われていた教室では、14人の生徒がピアノや木琴、マラカスで合奏と合唱をおこなっていましたが、途中で自らタンバリンを持って参加されていました」
実は佳子さまがこの学院を訪れられたのは初めてではない。前出の宮内庁関係者はこう話す。
「以前、佳子さまは横浜訓盲学院に通っている生徒とその保護者と知り合い、『ぜひ学院に来てください』と言われていたそうです。
そこで5月末に、おしのびで同校を訪問されていたのです。そのときに佳子さまは、もっと多くの関係者と交流したいという思いを抱かれたそうで、今回2度目のご訪問となったのです」
■和歌に秘められた雅子さまの労い
公的な機関や団体からの要請ではなく、ご本人の希望により、こうした“おつとめ”が実現するのは非常に稀なことだという。
「佳子さまは今年3月、静岡県浜松市のブラジル人やペルー人の子供たちが通う2つの学校を、私的な活動として視察されました。’23年にペルー、’25年にブラジルを公式訪問しており、日本で暮らす南米をルーツとする人々との交流をより深めることを望まれたからだと伺っています。
秋篠宮さまは『皇族の公的な活動というのは社会からの要請にこたえて行われるべき』と語られたように“公務は受け身”というご姿勢です。しかし佳子さまは、“能動的な公務”を目指していらっしゃるのでしょう。また雅子さまも佳子さまのご姿勢に共感されているそうです」(前出・宮内庁関係者)
今年1月の歌会始の儀では、こんな雅子さまの和歌が発表された。
《メダル掛け笑顔明るき選手らに手話で伝へる祝ひのことば》
昨年11月に日本で開催されたデフリンピックでの、選手たちとの交流を詠まれたものだ。
「デフリンピックの開催については、全日本ろうあ連盟の職員である佳子さまが、尽力を続けていました。この雅子さまのお歌には、手話の普及に励んできた佳子さまへの労いのお気持ちも込められているのでしょう。
今年2月の天皇陛下のお誕生日での一般参賀では、両陛下が手話を披露されたことも話題を集めましたが、雅子さまと佳子さまのお気持ちの距離感も急速に縮まっているようにお見受けします。
女性皇族への軽視を払拭するためには、さらに皆さまが新しい試みで存在感を示されていくことも必要になります。雅子さまは愛子さまだけではなく、佳子さまにもそのような役割を期待されているのだと思います」(前出・宮内庁関係者)
高市政権の暴走により、皇室の未来に暗い影が差すなか、雅子さまや愛子さま、そして佳子さまら女性の皇室の方々は、力を合わせての“巻き返し”を模索されているのだ。
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