Pixel 11シリーズ実機レビュー:「薄型化の無印」と「背面が光るPro」、Gemini連動の新機能で何が変わったか

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2026年08月20日 01:10  ITmedia Mobile

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Googleは、Pixel 11シリーズを20日に発売する。ここでは、その新モデルをまとめてレビューしていく

 GoogleのPixel 11シリーズが、本日、8月20日に発売される。2026年のPixelは、4機種同時に登場。「Pixel 11」「Pixel 11 Pro/Pro XL」「Pixel 11 Pro Fold」がそろっている。ハードウェアとしては、プロセッサが「Tensor G6」に強化されている他、カメラのスペックも見直されており、ノーマルモデルのPixel 11はPixelの象徴ともいえるカメラバーが薄型化している。


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 こうしたハードウェアの上で、Googleはシリーズ4機種をGemini Intelligenceに対応させた。日本では「マジックサジェスト」の進化版に当たる「先回りアシスト」にとどまるが、今後はアプリの自動操作などにも対応していく。現時点では、進化した音声入力や、カメラの新機能となる「マジックキャプチャー」などを利用できる。


 ここでは、そんなPixel 11シリーズのハードウェアを見ていくとともに、新たに採用されたAIやカメラの機能を中心に、同機種をレビューしていきたい。なお、Pixel 11 ProとPixel 11 Pro XLは画面サイズとそれに伴うバッテリー容量の差しかないため、レビューでは前者のPixel 11 Proに集約した。


●カメラバーの邪魔にならないノーマルモデル、Foldも薄型化に


 シリーズ全機種とも、大きなデザインテイストは変わっていない。やや丸みを帯びたボディーを採用しており、Fold以外の3機種は背面のカメラバーがPixelの“顔”になっている。一方で、そのカメラバーの処理が、Pixel 11は大きく変わった。厚みを40%以上削減したというように、よりフラットになっている。


 試しにポケットに収めてみたが、凹凸が減っているため、しまいやすい。引っ掛かりもなくなった。さらに、純正ケースをつけると、カメラが完全にフラットになる。カメラ部分を強調したデザインには賛否両論あるが、この部分の主張が減ったことでよりカジュアルな印象が増したといえる。


 印象が変わったのは、Pixel 11 Pro Foldも同じ。同モデルは薄型化を進めており、開いた状態で5mm、閉じた状態で10.1mmになった。以前よりも、厚さが目立たなくなり、ポケットにも収まりやすくなった。一般的なスマホは、ハイエンドモデルだと7mm台後半から9mm前後の範囲に入ることが多い。例えば、Pixel 11 Proは8.4mm、競合の「iPhone 17 Pro」は8.75mm、「Galaxy S26 Ultra」は7.9mmといった具合だ。


 Pixel 11 Pro Foldの10.1mmは、それよりやや厚みを感じる。同じフォルダブルでも、サムスン電子の「Galaxy Z Fold8 Ultra」は8.9mm、OPPOの「Find N6」も8.9mmと、ほぼストレート型のスマホと変わらないサイズ感を実現している。モトローラの「razr fold」も9.89mmと10mmを切っている。防水に加え、防塵(じん)に対応していることもあり、薄型化の難度は高そうだが、先行する競合にあと一歩及んでいないのは少々残念だ。


 逆に、Pixel 11 Proに関しては、前世代から外観の大きなアップデートはない。ただし、カメラバー内のレンズの横に配置されていた温度センサーがなくなり、代わりに新機能の「HiLight」に使うカラーLEDが搭載されるようになった。この機能は、Proモデルのみで、Pixel 11には搭載されていない。


 シリーズを横並びで見ると、Pixel 11がカメラバーを薄型化したこともあって、Pixel 11 Proのカメラバーの厚さが余計に目立つようになった。その分、4800万画素の望遠カメラが1/1.95型に大型化するなど、機能性は向上している。光学5倍、中央部の切り出しで10倍という点はPixel 10 Proから変わっていないものの、AIの処理による超解像ズームProは、最大120倍までアップした格好だ。


●撮りっぱなしでOKなマジックキャプチャー、カメラスタイルも新鮮


 ユーザーがスマホの利用に集中しすぎている状況をAIで改善することをコンセプトに掲げたPixel 11シリーズだが、カメラにも、そんな機能が搭載されている。新機能のマジックキャプチャーがそれだ。これは、最大500フレームの映像をGeminiが解析して、最高の瞬間を捉えた写真を残してくれるというものだ。


 カメラのファインダーを凝視せず、適当にカメラを回しておくだけで写真が撮れることが特徴といえる。実際にこの機能を使い、モデルを撮影してみた。使用感は動画を撮るのに近いが、保存し終わると、その動画だけでなく、そこから切り出した写真も自動で残されている。


 AIが選択した写真を見ると、歯が見えるような満面の笑みで、かつ被写体がきちんと中央に近いところにきている構図が多かった。逆に、クールな表情をした人物は選ばれにくい印象。突拍子もないような構図や、どう見てもNGな表情はなかったのがAIならではの選択といえる。やや無難な写真に仕上がりすぎるきらいはあるが、撮影時にビシッと表情を作って静止してくれるモデルではなく、子どもや動物など、動き回る被写体を撮るときに便利だ。


 これは便利だなと思ったのは、Pixel 11 Pro Foldでマジックキャプチャーを利用したときのこと。机の上に置きっぱなしにした状態で撮影を開始し、適当なタイミングで終了させれば、その間のベストショットが保存される。ただ、どう見ても、これは失敗カットだろう……というものが残ることもあり、精度にはもう少し改善が必要だと感じた。コンセプトはいいだけに、もう一段のブラッシュアップを期待したい。


 カメラのもう1つの新機能が、「カメラスタイル」だ。これは、写真を撮影時に好みの仕上がりにするというもの。Pixelに限らず、スマホのカメラは、通常だと複数枚の写真を撮って合成し、HDRの処理を加えたりしているが、そうした加工を“あえて”抑えてクラシックな色合いを再現している点は、これまでと真逆のアプローチといえる。あえてユーザーに選択肢を委ねているというわけだ。


 撮影時の処理を大幅に変えている手法のため、撮った写真の質感はガラッと変わる。「オリジナル」「ナチュラル」「シャドー」「バニラ」といったデフォルトの効果を変更できるだけでなく、「マガジン」「ベルベット」「クラシック」「デジカメ」「モノクロ」「ミニマル」といった、より変化の大きなスタイルを選択することも可能だ。


 それぞれで撮った写真は、以下の通り。オリジナルは肌の発色が非常によく、ナチュラルはちょっと自然に、バニラはよりフワッとした印象になるが、それ以上にクラシックやデジカメに変えた際の変化が大きい。極端なAIの処理をしていない感じを、うまく残している印象だ。写真にスマホっぽさがないと言い換えることもできる。


 AIの処理を組み合わせるコンピュテーショナルフォトグラフィーをいち早く取り入れ、写真の仕上がりを向上させてきたGoogleが、あえてそのような処理を入れない写真をPixelで撮れるようにしたのは意外感があった。スマホの写真の発色のよさに違和感を覚えていた人には、いい機能だ。より写真にこだわりたい人の選択肢が増えたといえる。


●先読み機能やProモデルの「HiLight」はどう? 処理能力には気になる点も


 同じく、スマホとの向き合い方を変える機能に、Proモデルにのみ搭載されたHiLightがある。お気に入りに登録した人から着信があった際に光ったり、光り方でGeminiと会話がしやすくなったりといった機能がそれだ。打ち合わせのときなどに本体を裏返したまま置いておいても、重要な人から電話がかかってきたらすぐに反応できる。画面に気を取られないため、スマホとの距離を取ることが可能だ。


 また、画面にとらわれず、Geminiと会話がしやすくなった。待機時には全体が青くなり、白い光が動いているが、ユーザーの声を聞き取ると、光がぐるぐる回り、回答を考えていることがつかみやすい。話している際に複数の色がまとめて点灯する。実際に使ってみると、フィードバックがあることで、Gemini利用時に画面を見る必要がなくなった。AIアシスタントとして裏返して置いておき、質問があるときだけ話しかけるといった使い方に向いた機能といえる。


 ただし、それ以上の使い方ができないのは少々残念。タイマーを点灯でカウントするような機能があってもいいと感じた。Nothingが搭載しているような、複数のLEDライトではないため、表現できることに限界はあるものの、もう少しできることが多いともっと利用する機会は多くなりそうだ。


 Gemini Intelligenceの売りといえる機能に、マジックサジェストを改良した先読みアシストがある。試しに別の端末から「今日行ってきたご飯の写真見せてよ」とRCSで送信してみたところ、Googleフォトをお勧めするボタンがアプリ上に表示された。これをタップすると、今日撮影したご飯の写真の候補が出た状態で写真を選択できる。あとはタップすればいい。


 また、マジックサジェストより、提案の中身がリッチなカード形式になっているものもある。「高輪ゲートウェイのウルフギャング行ってみたい?」というメッセージを受け取った際には、ボタンが表示され、タップするとGoogle マップの情報を端的にまとめたカードが現れた。ここからマップを見たり、相手に位置情報をつけて確認してもらったりできる。


 一方で、マジックサジェストと同様、何がトリガーになるのかがいまいち分かりづらい。レビューのために試用した際には、予定の空き状況は一向に確認してくれなかった。できることは、まだまだ限定的で完璧なサジェストとはいいがたい。


 どちらかといえば、すぐにGemini Intelligenceの効果を実感できるのは改良されたAI音声入力だ。こちらは、「えー」「あー」といったフィラーを取ってくれるのはもちろん、「今日は晴れていて、あ、今のはナシで、あー、本日は晴天に恵まれ」と発話した場合、「今のはナシ」という言葉をしっかり指示と認識して、「本日は晴天に恵まれ」のみが入力される。これまでの文字入力よりも、各段に入力のしやすさが上がっている。


 なお、今回のレビューではベンチマークアプリはインストールできなかったので、パフォーマンスは確認できていない。ただし、GPUにPowerVRを採用していることもあり、「原神」はきちんと描画ができなかった。「学園アイドルマスター」は最初の状態から数時間程度は普通に遊べたが、よりゲームを進めて重いグラフィックが表示された時の処理落ちがあるかまでは確認できていない。ただ、バッテリーの減りが早く、特にグラフィックスに凝ったゲームをするのにはあまりお勧めできない。


 こうした向き不向きはあるが、基本動作は快適で、カメラやAIの機能には光るものがある(Proモデルには文字通り光るHiLightもある)。メモリが高騰する中、Pixel 11とPixel 11 Proは256GB版がPixel 10シリーズから値下げになっており、コストパフォーマンスも高まった印象だ。特にPixel 11はカメラバーが薄くなったことで、Proモデルにはない魅力を出せている。これまでプロ一択だったユーザーも、ぜひ目を向けてほしい1台といえる。


(製品協力:Google Japan)



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