2026年F1第14戦スペインGP FIA会見 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
2026年のF1スペインGPは、スペインの首都マドリードの市街地コースでの初開催。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とカルロス・サインツ(ウイリアムズ)にとっては、今季2度目の母国グランプリとなる。
Q:フェルナンド、あなたは新しいサーキットへの適応が非常に速いことで知られています。シミュレーターでもトレーニングしてきたと思います。ここは予選向き、あるいはレース向きのサーキットでしょうか? そしてこの週末には、何を期待していますか?
アロンソ:「みんなが言っているように、ここは学習するのが難しそうだ。非常にテクニカルで、かなり縁石に乗る必要がある。一方で高速セクションもいくつかあって、そこでは壁にかなり近づかないといけない。ドライバーにとってはとても魅力的だし、アドレナリンが出るね。いくつかのセクションは、ジェッダにも近い感じする」
「予選とレースについて言えば、すべての市街地コースは予選がより重要になる。ドライバーの感覚でも、日曜日のレースが土曜日の予選以上に面白くなるとは、ちょっと信じにくいかな。ただ今年は決勝レースも、見ている側にとっては時々面白いよね。僕はあえて、『バッテリー選手権』と呼びたいけどね。電気でオーバーテイクするだけだから。なかには、望んでいないオーバーテイクもある。僕もモンツァで2回か3回抜いたけど、あれは単に前のクルマがバッテリーを使い切っていたからだった」
コースの印象を語るうちに、今季のF1マシン批判になっていた。ドライバーの腕が発揮しきれないことへの苛立ちが、隠せないようだった。そこにはもちろん、今のアストンマーティン・ホンダの戦闘力への不満もある。アストンマーティンの契約は今季末に切れるが、アロンソ自身は来季の去就をまだ明言していない。
Q:将来について決断を急いでいないとコメントしていますよね。一方でアストンマーティン側は、どうでしょう。あなたに代わる可能性があるビッグネームのドライバーが何人か、チームを訪れたそうですね。来年もあなたに残ってもらうために、チームは動いているのでしょうか?
アロンソ:「確かにそういうドライバーたちが、夏にローレンス(・ストロール/チームオーナー)を訪ねてきていたね。でも焦りはないよ」
Q:あなた自身は、このプロジェクトを続けていくことへの意欲は衰えていませんか?
アロンソ:「来年の技術規則が、レースやドライビングの面にどんな影響を及ぼすのか。それを理解することが重要だと思う。何度も言っているように、今のクルマはドライバーにとってベストではない。走っていても、楽しめない。だから来年は、正しい方向への一歩になることを望んでいるよ。同時に自分にとって来年どんなプログラムが最善なのかを考えて、チームと話し合う必要がある。ステアリングを握るのか、それとも別の役割なのか。自分がどのポジションにいれば、チームを最も助けられるのか。そこを一緒に決めることが、いちばん重要なことになるだろうね」
来季について、一歩踏み込んだ発言のように聞こえた。もしチームに残留するとしても、ドライバー以外の役割も考えているということか。
次の質問はスペインでのF1人気に関するものだったが、アロンソのコメントはそこから自身のキャリアへと想いを馳せる回顧的なものになった。
Q:あなたがキャリアを始めた頃、スペインではF1は今ほど人気がありませんでした。でも、あなたがレースで勝ち、2度のタイトルを獲得して「アロンソマニア」が起こり、今ではスペインでふたつのグランプリが開催されています。そのことを、どう思いますか。
アロンソ:「もちろん光栄だよ。僕がF1にデビューした2001年、家族はドイツのRTLで僕のレースを見ていた。スペインでは放送されていなかったからだ。20年数前にF1がスペインでどれほど小さな存在だったかわかると思う。それが今では、スペイン人ドライバーの多くがF1を目指している。ドライバーだけじゃない。今のF1では、10%近いメカニックやエンジニアがスペイン人なんじゃないかな。それが僕にとって最も大きな、そして最も誇りに思うことのひとつだよ。僕のキャリアにとって最大のレガシーは、スペインにおけるF1の変化なんだ。レースでの結果そのものより、そのことが僕には誇りだ」
そんなアロンソの活躍は、マドリード出身のサインツの人生も変えた。
Q:あなたが少年だった頃、F1ドライバーになるだけでなく、マドリードのホームグランプリで走ることも夢見ていましたか?
サインツ:「10歳くらいの頃、父に『いつかアロンソみたいになりたい』と言ったのを覚えている。だからスペインにふたり目のF1ドライバーが誕生するうえでも、スペインでモータースポーツやF1が成長するうえでも、彼が最大の要因であり、原動力だったことは間違いない。朝4時に起きて、父の部屋をノックして、『オーストラリアGPの時間だよ。見なきゃ』と言っていたものだ。F1が大好きだった10歳の少年が、いつか自分がF1ドライバーになって、しかもマドリードでグランプリが開催され、そこで自分が走ることになるなんて、絶対に想像していなかったと思う。本当に特別だし、この週末はものすごく感情的になってしまうね」
最後に、会見パート2に出席した3人のドライバーに、「初めて走って、クルマから降りた瞬間に「うわ、なんて素晴らしいサーキットなんだ」と思ったコースはどこか」という質問が出たが、答えはいずれも鈴鹿だったことを紹介しよう。
サインツ:「昔ながらのサーキットは、今でもF1マシンを走らせる感覚という意味では世界最高のコースだと思う。そして僕の一番のお気に入りは断然、鈴鹿だね」
ガブリエル・ボルトレート:「ふたつ挙げられる。鈴鹿とイモラだね。でもどちらかといえば鈴鹿かな。初めて走ったのは去年で、あのときのF1マシンはかなり大きなダウンフォースを発生していた。それもあって、最初に1周したときの感覚は、ものすごく印象的だった」
バルテリ・ボッタス:「僕も鈴鹿だ。初めて走ったときに、まさに『なんて素晴らしいサーキットなんだ』と感じた。それ以来、ずっとお気に入りのコースだよ」
[オートスポーツweb 2026年09月11日]