選手権首位テーム・スニネン(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、最終戦を残して2026年ERCチャンピオンのタイトルを確定させている ここまで4戦が続いて来たフルターマック・ラウンドだが、その最終決戦となったERCヨーロッパ・ラリー選手権第6戦『JDS Machinery Rali Ceredigion(JDSマシナリー・ラリー・ケレディジョン)』は、約20年ぶりERC復帰参戦となったクリス・ミーク(トヨタGRヤリス・ラリー2)が、貫禄のシリーズ初優勝。そんなミークに次ぐ2位に入った選手権首位テーム・スニネン(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、最終戦を残して2026年ERCチャンピオンのタイトルを確定させている。
ウェールズ西部の難関舗装路を舞台に9月4〜6日に開催された同イベントには、WRC世界ラリー選手権で5勝を挙げている北アイルランド出身ミークの電撃参戦が話題を集めた。しかし初日の予選ステージから主導権を握ったのは、今季ERCを牽引して来たフィンランド出身のスニネンで、同ラリーへの参戦経験がゼロというハンデをものともせず、初日からラリーリーダーを奪取。アベリストウィス市街地で行われたスーパーSS(SS1・SS2)を挟み、全長6.41kmの予選ステージ逆走となるSS3の金曜ナイトステージで驚異的な夜間走行を披露し、ミークを逆転して総合首位に立った。
「トップバッターとしてスタートできたのは素晴らしいことだし、難しいコンディション下でのペースの良さを証明できたと思う」と、ピレリタイヤを装着したシュコダ・ファビアRSラリー2を操るスニネン。「ナイトステージに向けてはモンテカルロ・ラリーのような感覚になるのではないかと思っていた。同じステージを逆方向に走るから、路面のグリップレベルが正確には読めないし、泥による予期せぬ事態に遭遇する可能性もあったが、ベストを尽くせたね」
しかし明けた土曜。やはりタイトルに向けた気負いからか、午前のループでスピンを喫したスニネンはミークを追うのを止め「より大きな視点(選手権争い)に集中する」走りに切り替え、日曜朝にもふたたびスピンしヒヤリとする場面もありつつ、頭脳的なドライブに徹することに。
一方、地元のトップチームであるメルヴィン・エヴァンス・モータースポーツが運営する、ミシュランタイヤを装着したトヨタGRヤリス・ラリー2は、総合首位で土曜を折り返すと、元ポルトガル選手権王者でもあるミークは日曜の勝負どころとなる4ステージのうち2ステージで最速タイムを記録し、ERC登録ドライバーとして自身初となるイベントで勝利を確実なものとした。
「本当に、なんて週末だったんだろう」と戦前の控えめな予測にも関わらず、貫禄の勝利を飾ってみせたミーク。「ここまで支えてくれた皆に感謝したい。素晴らしい仕事をしてくれたし、クルマのパッケージが完璧に決まっていると本当に楽しいね!」
「ミシュランタイヤを装着したマシンで、あの感覚やリズムを取り戻せたことがうれしいよ。また『ホーム』に戻ってきたような気分だ。誰もが知っているとおり、僕はドライブを楽しんでいる。こうしてパッケージさえ良ければ、思いどおりの走りが出来るんだ」
そのミークに遅れること38.6秒。最終パワーステージを制したスニネンは「最高だね」と、所属先のザ・レーシング・ファクトリーにとっても2014年のエサペッカ・ラッピ以来となる、栄えある欧州選手権王者の座を勝ち獲った。
「水曜の時点では、これほどのペースで走れるとは信じられなかった」と、初参戦のターマックでERCチャンピオンを確定させたスニネン。「体調もかなり悪かったが、最終的には上手くまとめ上げることができたし、多くのことを学ぶことができた。全体的に見て今季は僕らにとって良いシーズンだったし、ターマック(舗装路)でのドライブも素晴らしいものだったね」
その背後にはディフェンディングチャンピオンとして今季を戦ったミコ・マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2)が続き、役者揃いのポディウムが完成。さらに4位にはマックス・マクレー(シュコダ・ファビアRSラリー2)が入ってERCキャリア自己最高位をマークすることに。またステップアップ・ラダーとなるFIA ERC3選手権では、ヴィリ・バタネン(フォード・フィエスタ・ラリー3)も待望のタイトルを獲得している。
これでERC1登録のチャンピオンシップが決着した2026年シーズンだが、最終戦としてポルトガル北部で開催される『Rally Six Cities North of Portugal(ラリー・シックス・シティーズ・ノース・オブ・ポルトガル)』は、ポルト近郊ファフェを拠点としたグラベルイベントとして10月23〜25日に開催される。
[オートスポーツweb 2026年09月11日]