【F1第16戦決勝の要点】ハミルトン挽回の3位。悔やまれるフェラーリのタイヤ選択

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2026年10月04日 21:20  AUTOSPORT web

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2026年F1第16戦バーレーンGP(マレーシア開催) ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
 大波乱となったマレーシア・セパン開催の2026年F1第16戦バーレーンGPは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、ポール・トゥ・ウインで今季初勝利を掴み取った。一発の速さだけでなく、ロングランペースも群を抜いていただけに、勝利の可能性は十分にあった。とはいえ大雨から急速に乾いて行く難しいコンディションのもと、スタート直後はメルセデス2台に先行され3番手まで順位を下げた。終盤のセーフティカー(SC)明けでも、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は接戦だった。

 マシン戦闘力に優れていたとはいえ、フェルスタッペンでなければ、勝利はおぼつかなかったのではないか。スタート時のタイヤ選択に右往左往するチームが少なくなかったなか、2台ともにインターミディエイトタイヤを履かせたレッドブルの判断もさすがだった。マシンの優位、正しい戦略、そしてフェルスタッペンの実力。その三者が見事に噛み合っての見事な勝利だった。

 対照的なのが、フェラーリである。この週末の彼らは予選までメルセデスを凌ぐ速さを見せていた。フェルスタッペンが頭ひとつ抜けてはいたが『フェルスタッペン対フェラーリ』の優勝争いという展開は、十分にあり得たはずだった。

 ところが2番グリッドのルイス・ハミルトン(フェラーリ)、4番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、スタート時にソフトタイヤを選択した。なぜレッドブルやメルセデス同様、インターミディエイトタイヤを履かなかったのか、その経緯は現時点では不明だ。チームがドライバーふたりの意向を無視して、独断でドライタイヤにしたとは考えにくい。いずれにしても、この選択は大失敗だった。

 スタート直後、インターミディエイト勢とのラップタイム差は10秒以上だった。フェラーリ勢はあっという間に15番手以下まで後退してしまう。2台は我慢の走りで、路面が乾くのをひたすら待った。9周目までには、ようやくインターミディエイトタイヤを履く上位勢とのラップタイム差も4〜5秒差まで縮まった。しかしその直後、バルテリ・ボッタス(キャデラック)がグラベルにハマりSCが導入される。インターミディエイト勢は待ってましたと総じてピットに向かった。もちろん順位の変動は、ほとんどない。フェラーリをはじめとするドライタイヤ勢にとっては、最悪のタイミングのSC導入だった。

 それでも路面が完全に乾いてからのフェラーリ、特にハミルトンは素晴らしいペースで順位を上げていった。22周目にはリアム・ローソン(レーシングブルズ)をパスして5番手に浮上。しかし先行するアイザック・ハジャー(レッドブル)はなかなか抜けない。それでもレース終盤にはようやくハジャーをかわし、さらにはジョージ・ラッセル(メルセデス)のストップ(20位完走扱い)にも助けられ、ハミルトンは3位でチェッカーを受けた。ルクレールも4位。その結果だけ見れば、ダメージは最小限に食い止めたと言えるかもしれない。

 しかしハミルトンはレース中盤のハジャーとのこう着状態の際、ミディアムタイヤに履き替えるとペースが伸び悩み「このタイヤ、最悪だ」と、吐き捨てている。ミディアムタイヤのデグラデーション(性能劣化)がひどいことは、チーム側もわかっていたはず。もしそこでソフトタイヤを履いていたら、もっと早い段階でハジャーをかわし、メルセデス追撃体制に入れていたのではなかったか。ハミルトンのソフトタイヤでのラップタイムは明らかにアントネッリより速かった。もしあそこでミディアムタイヤを履いていなければ、僕たちはもっと手に汗握る上位争いを見ることができていたかもしれない。

(取材・文 柴田久仁夫)

[オートスポーツweb 2026年10月04日]

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