4失点敗戦のザッケローニ「2点差がつくほどの実力差ではない」

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2013年08月15日 09:00  サッカーキング

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ザッケローニ監督がウルグアイ戦を振り返った [写真]=足立雅史
「キリンチャレンジカップ2013」が14日に行われ、日本代表とウルグアイ代表が対戦した。日本はウルグアイのFWディエゴ・フォルランに2ゴールを許すなど、4ゴールを献上。香川真司と本田圭佑がゴールを決めたものの、2−4で敗れた。

 試合後、アルベルト・ザッケローニ監督が、敗戦を振り返って以下のようにコメントした。

―コンフェデレーションズカップで3試合で9失点をした守備陣は今日も4失点を喫したが、評価は?

「今日も、現時点で世界の強豪のチームと試合をしたと言えるのではないか。コンフェデの後、私だけが残って準決勝と決勝を見てきたが、優勝したブラジルを一番追い詰めたのがウルグアイではないかと思う。そういう対戦相手を前にしながら試合をした感触としては、2点差がつくほどの実力差ではないと思った。この試合に関しては、2点差となったが、日本とウルグアイを比べてそこまで差はない。当然相手にもたくさんのチャンスがあったが、我々にも多くのチャンスはあったように思う。これまで、数多くの得点を取りたいチームというのは、失点にリスクを負うということを言ってきたが、今日の試合に関してはうちのミスの多さが出てしまった。ウルグアイは非常にミスが少なかった。これが勝負をわけたと思う。代表チームは、(メンバーが)集まれない期間が長くなり、準備期間が短いと、自分たちの思い通りのプレーができないということが以前もあった。1つ言えることは、フィジカルコンディションを見ると、ウルグアイの選手の方が全体的にコンディションが良いのかなと。やはり、これだけミスが多いということは、ある意味想定外だったし、そういったところからうちの選手のコンディションはそこまで上がっていないというように思う。(それは)特に海外組について言えるが、シーズン始まって間もない中で、試合にそんなに多く出ていないメンバーもいれば、コンディション(調整)の遅れているメンバーもいる。そういったメンバーが1日2日の練習で、コンディションを見極めることは相当困難な作業である。今日の試合は良かった部分もあるが、悪かったところも多く出てしまった。ウルグアイの前線にいるメンバーが、ああいうレベルになるとうちのミスを見逃してくれないなと思った」

―1失点目は、日本らしく高いラインを保って裏を取られたという形。守り方としては、今後も同じ場面も想定されると思うが、ああいう失点を改善するにはどう考えているか?

「失点のシーンだが、相手がゴールに向かって走っている時、そこにボールを入れられる状態になっている場合には、ディフェンスラインを下げて対応するということがセオリー。映像を見ていないので確かではないが、自分の印象では、選手が相手をオフサイドポジションに置いたのではないかと。当然『ディフェンスラインをできるだけ高くしろ』という指示は日々出しているが、それだけでなく、『時と状況を見ながら、タイミングや状況に合わせたものを選択するように』とディフェンスラインには指示している。当然、相手がフリーでボールを持っていて、裏に蹴れる状態でもディフェンスラインを高く保っているほど自分はばかではないと思っている。ここ最近の試合で失点が多い理由で、核心をついているのは自分たちのミスということが非常に目立つということ。そういうミスが多く出ていることが、失点の多さに繋がっているのではないかと思っている。そういった意味では、これは監督の責任だから、できるだけ改善していく。より多くのゴールを取るチームを作る、より少ない失点を心がけるチームを作ると。ウルグアイ戦に関しても、私から協会にマッチメイクをお願いしたし、やはり当然厳しい戦いになる。時にこれだけ失点をしてしまうシーンがあるが、これが唯一我々が成長できる道ではないかと思う」

―今の点に関しては、アジアではなく世界のトップと戦う時でも、攻守のバランスを変えることはなく、微調整をしていけば同じ戦い方ができると考えているのか?
「当然、我々にはアイデンディディがあるし、それを貫き通さないといけないと思っている。ワールドカップで優勝してほしいというリクエストを今のところ、自分は受けていない。当然、就任した時に与えられたノルマは、これまで日本が何大会もやってきたようにワールドカップに出場させることが1つ。もう1つは、日本代表を世界の強豪と、就任した時よりも実力を高めて、上位との差をできる限り詰めていくと。そういうことが私に課せられたノルマだと思っている。トップのところに立てというようなリクエストは今のところ来ていない。当然、私は自分の選手に信頼を置いているから、ワールドカップの本番に向けて、その大会にはしっかりと、トップと近いところまで持っていく。その自信は大きく持っている。このチームのポテンシャル、実力を測るには、やはりフィジカルコンディションが伴っていた試合を見なければいけない。その試合では常に日本はすばらしい戦いをしている自負はある。我々は体が大きいチームではないから、体の状態が良くなければ良いプレーはできない。何を言いたいかというと、体の状態がいい時にこそ、日本の特長であるスピードに乗ったプレーが出るものだと思う」

―柿谷曜一朗は随所に良いプレーが見られたかと思うが、彼の評価は?
「当然、スタメンで使った理由は、彼は非常にクオリティがあるし、良い選手だと思っているから。ただ、この代表チームに来て出たからといって満足をしないで、その成長を止めないでほしいと思うし、そういったミスは絶対に犯さないでほしい。ここでその成長を止めないでほしいという思いは非常に強い。ゆっくりでも、少しずつでもいいから成長し続けてほしいなと思うから、代表チームに来たからといって慢心すること無く、このまま成長していってくれればと思う。ただ、同時に彼自身にあまりプレッシャーを与えたくない。伸びてきている選手だから、それほどプレッシャーをかけずに、このまま成長を見せてほしいと思うし、それができれば、また代表チームに手を貸してくれる存在なのではないかと思う」

―前半に比べて後半の方が明らかに良くなったが、どのような指示があったのか? あるいは前半を0−2で終えて、選手たちにどのようなリアクションがあったのか?
「もっとチームとして戦い方を共有すること、1つになること、あとはピッチの中央で数的有利を作ること、またスピードに乗ってスペースのあるところに仕掛けていくこと、相手がボールを持っている時に距離感を遠くするのではなく、やはりチームがコンパクトにまとまった状態で、相手にスペースを与えないようにしろ、という指示を出した。後半、コンパクトになった理由に、セカンドボール、五分五分のボール、リバウンドを取れるようになってきたことがあると思う」

―吉田麻也を早い時間で交代させたが、どのような意図があったのか?
「理由としては、伊野波(雅彦)を見たかったからということ。吉田に関しては、プレシーズンでまだ90分間を1試合もやっていないような状況だから、その中で90分は無理だろうと思ったし、伊野波を見たかったということが一番の目的」

―良いところもあったということだが、良かった部分は特にどういったところを評価しているのか?
「前線でのすばやいコンビネーション。これはうちの良いところで、見受けられた。時にバイタル(エリア)のところでコンビネーションを出せたところは良かったと思う。また、遠藤(保仁)がより攻撃に積極的に参加した時の形というのは、非常に良いものが出たと思う。あとは、時間が経過するとともに、守備のところで相手にかなりアグレッシブにプレッシングができるようになったというところ。うちのいいところが出る時は、まずチームがコンパクトにまとまった状態でスタートする。そこから高いところからやはりボールを奪いにいく、アグレッシブな姿勢を見せる。それに対して、ディフェンスラインが高いところまで連動していく。そういったことができている時は、良い形ができていると思う。コンパクトに保てた時間帯があったことは良いところに挙げられると思う」



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  • →ザックさん、ラインコントロールなら智さんは如何?長年ガンバのラインコントロールしてたから絶対はまると思うよ。リーダーシップもあるよ。
    • イイネ!1
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