嵐の30代は”愛の季節“となるか 最新作『LOVE』に漂う大人の色気

236

2013年10月25日 12:21  リアルサウンド

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

リアルサウンド

嵐の新作アルバム、出来栄えは……?

 嵐の最新作『LOVE』は、ロマンティックなオーケストラが特徴的な序曲「愛を歌おう」から幕を開ける。そのスケール感は、本作のテーマである「愛」が、男女間の恋愛感情だけではなく、もっと広い意味での「愛」であることを示している。言ってみれば、過去と現在を繋ぎ、現在から未来へと繋がっていくような、普遍的な「愛」だ。次々と紡がれるボーカルのリレー、コーラスでのポジティブなユニゾン、そして櫻井翔の語りかけるようなラップ。嵐の実に嵐らしい特徴が「Hey!」と呼びかける。

 前作の『Popcorn』が、デビューから10年を迎えた嵐の多様性を反映したカラフルなものであったのに対し、本作はそのキャリアに相応しい品格を漂わせた作品となっている。EDM仕様の派手なビートは控え目で、よりバンド色の強いトラックが増加、結果として全体的に大人っぽい魅力を醸し出しているのだ。もちろん、地味になったというのではない。先行シングルの「Calling」や「Endless Game」に明らかな通り、弾けるべきところは勢いよく弾けている。

 収録されるナンバーは、ジャンルも様々。色気のあるグルーブが特徴的な「P・A・R・A・D・O・X」のようなダンス・チューンもあれば、ドラマティックかつ抒情的な「Tears」のようなバラードもある。各人のソロ・ナンバーでは、それぞれの個性を発揮。大野智は「Hit the floor」で艶っぽいボーカルを披露し、ヒップホップ・グループの韻シストがゲスト参加した櫻井翔の「sugar and salt」では、以前にも増してスキルフルなラップを聴かせてくれる。二宮和也が自身で作詞作曲した「20825日目の曲」は、軽やかなピアノとともに家族への深い愛情を歌い、アルバムのコンセプトである、広義の意味での「LOVE」を感じさせる一曲に仕上がっている。

 相葉雅紀の「夜空への手紙」は柔らかな声がセンチメンタルな情景とマッチし、「Dance in the dark」では松本潤の純粋さがホーン・セクションとともに滲み出している。アルバムの中でもとりわけ甘くてムーディな響きの「Starlight kiss」から、80年代ディスコ風サウンドが多幸感をもたらす「FUNKY」にかけての流れは、終盤のハイライトだ。

 全16曲でボリュームもたっぷり。30代になっていよいよ大人の魅力が滲み出してきた嵐が、今だからこそ説得力を持って語ることができる「愛」。新作『LOVE』は、そんなテーマを詰め込んだアルバムといえるだろう。(森田真功)



このニュースに関するつぶやき

  • FUNKYの振付けが楽しい(*^^*) LOVEコン行かれる人は覚えてね〜
    • イイネ!2
    • コメント 2件

つぶやき一覧へ(12件)

ニュース設定