嵐を音楽面で引っ張る大野智の歌唱力 ミュージシャンも太鼓判を押すテクニックとは?

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2013年12月31日 12:40  リアルサウンド

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 今や国民的アイドルにまで成長した嵐。バラエティからドラマ、あるいは司会業まで嵐のメンバーの姿をテレビで観ない日はなくなった。そんな各方面で活躍している彼らだが、忘れてはいけないのはミュージシャンとしての実力だ。嵐のミュージシャンとしての評価は高く、これまでのジャニーズアイドルの中でも随一と推すファンも多い。今回は嵐の音楽を牽引するキーパーソン、リーダーである大野智について考察する。



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 先日「歌が上手いジャニーズタレントは?」というアンケート調査でKinKi Kidsの堂本剛やSMAPの木村拓哉をおさえて堂々の一位を獲得した大野智。彼の歌唱力に対してはジャニーズファンのみならず、音楽評論家やミュージシャンの間でも評価が高い。生歌の美しさに加えビブラートやファルセット、シャウトといった技法を巧みにこなすソウルフルなボーカルについてライムスターの宇多丸氏は「嵐の音楽テイストであるソウルポップやジャズ、ファンクテイストを支えているのは大野君のボーカルと櫻井くんのラップ」であると分析している(櫻井翔のラップについては「嵐の本音はサクラップにあり!? 実はディープな“歌手の仕事”を読み解く」参照)。その実力は初期の作品から垣間見ることができ、例えば10年前にリリースされたアルバム『How's it going?』に収録された「ONLY LOVE」などはその典型。フェイクや声の抜き方、ブレスの仕方、そして歌い終わりの処理方法までミュージシャン・大野智の実力がこれでもかと詰まった一曲だ。



 先述の宇多丸氏によると嵐の音楽性は「さまざまな音楽にチャレンジしてその方向性を模索するなか、大野智のボーカルを存分に活かせるようなものへと落ち着いた」という。デビュー作の『A・RA・SHI』(1999年)から『a day in our life』(2002年)までは序章期で、SMAPら先輩が作ってきたJディスコのようなキャッチーなサウンドが目立つ時期。この頃の楽曲ではまだグループとしてのアイデンティティが定まっておらず「とにかくなんでもやってみよう」−今聴くとそんな印象を受ける。第二期は『ARASHIC』収録の「cool & soul」(2006年)まで、ハードロックテイストを全面に打ち出していた頃。櫻井翔が自分自身でラップを作りはじめたのがこの時期で、 アイドルがリリックを手がけるという画期的な「発明」がよくフィーチャーされるが、嵐というグループ自体についても音楽的な個性を獲得してきた時期にあたる。そして彼らが自分たちの魅力、アイデンティティを確立し音楽性を高めていったのが『ARASHIC』以降。初期に参照していたSMAPからはコンテンポラリー・ブラックテイストやアーバンな雰囲気を踏襲し、リリースされる楽曲はファンキーなものやソウルフルなものになった。言わずもがな、大野のボーカルテクニックが活きるサウンドだ。最近の楽曲、例えば先日リリースされたアルバム『LOVE』(2013年)はメンバー全員が30代になってからはじめての作品で、よりアダルティな色気のある大人の作品に仕上がっている。なかでも大野のソロ曲となっている「hit the floor」は特出した出来で、ファンならずとも是非おさえておきたい一曲だ。嵐のことをこれまで単なるアイドルグループと思っていた人も、「hit the floor」を聴けばその認識は一変するだろう。



 2014年の活動について「嵐結成15周年でもある年なので、感謝の気持ちを表す意味でも、来年もまたライブをやりたい」と抱負を語った大野。年末の紅白歌合戦から年明けにかけ出演する特番が目白押しな彼らだが、ぜひ音楽的な活動、CDのリリースやツアーでも充実した一年を送ってほしい。(北濱信哉)



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