給食は残さず食べないといけないの? 先生が強要したら「体罰」か

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2014年05月01日 16:10  弁護士ドットコム

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食べ物の好き嫌いがある子どもに、学校はどう指導すべきだろうか。パルシステム生活協同組合連合会が昨秋おこなった調査によれば、いまの小学生とその母親で、学校の指導が違っていることがわかった。


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小学生の子どもがいる30代・40代の母親1000人に「自分が子どものころ、好き嫌いで給食を残す生徒にどんな指導がおこなわれていたか」と聞いたところ、「残さず食べるように促す」が72.7%と、最も多かった。しかし、子どもの小学校ではどうかとたずねたら、21.1%にすぎなかったという。



この30年で学校給食の指導内容も大きく変化したといえそうだが、それでもまだ「残さず食べる」ことを生徒に求めている学校があるということだ。だが、給食を残さず食べることを強要しているとしたら、「体罰」と言えるのではないか。足立敬太弁護士に聞いた。



●むりやり食べさせたら「体罰」の可能性も


「文科省の考え方によれば、体罰とは『当該児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的及び時間的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する』とされています。



つまり、体罰か否かの明確な線引きはなく、これらの事情を考慮しながら、ケースバイケースで判断するということになります」



足立弁護士はこう説明する。具体的に、給食の指導で体罰にあたる場合もあるのだろうか。



「給食を食べない児童に対して、むりやり口に押し込むとか、はき出した物を食べさせるといった指導がおこなわれたとすれば、体罰と評価されるでしょう」



しかし、給食を残さず食べさせるため、完食するまで席に座らせるのは、「体罰にならない」という。なぜだろうか。



「指導の対象となっているのは、心身が未発達の小学生です。さらに、学校給食は完食することを前提に栄養を考えられています。



そうだとすれば、完食するまで給食は終わっていないとして、児童をその場に残すという指導法は、場所的・時間的にも、態様としても、著しく不当とはいえません」



●「好き嫌いをなくす」という目的にあっていない?


では、「食べ終わるまで座らせ続ける」という指導は妥当なのだろうか。



「体罰ではないからと言って、これが適切な指導かと言われれば、そうではないと思います。



食べ物の好き嫌いは学校教育だけで解決するものではなく、家庭での食育との連携が必要です。また、嫌いなものをむりやり食べさせたとしても、ますます嫌悪感が強くなるだけでむしろ悪影響でしょう。



『好き嫌いをなくす』という目的とマッチしておらず、指導法として不適切でしょう」



パルシステムの調査によれば、いまの小学校でもっとも多い指導法は、「少しずつでも食べられるように促す」(72.0%)だという。「全部」ではなく「少しずつ」。これなら子どもも受け入れやすいかもしれない。


(弁護士ドットコム トピックス)



【取材協力弁護士】
足立 敬太(あだち・けいた)弁護士
北海道・富良野在住。投資被害・消費者事件や農家・農作物関係の事件を中心に刑事弁護分野も取り扱う。「刑事弁護においては、被害者様を含めきめ細やかな対応を目指しています」
事務所名:富良野・凛と法律事務所
事務所URL:http://www.furano-rinto.com/



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  • そんなこと言うなら給食やめて学食にすれば良い���å��å�食うも食わずも自己責任ということで���ä���١����ä���١����ä���١�
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