イチローが語った「球団のやたら熱い思い」 マーリンズの狙いとは?

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2015年01月30日 07:30  ベースボールキング

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マーリンズ移籍会見に臨んだイチロー [Getty Images]
◆ 異例の入団会見 マーリンズ史上初の日本人選手

 日本時間29日、生きる伝説・イチローが初めてナ・リーグ所属チームのユニホームに袖を通した。都内の会見場には球団社長とゼネラルマネジャー(GM)が駆けつけるなど、マイアミ・マーリンズの本気度が分かる入団会見となった。ではなぜマーリンズはイチロー獲得に踏み切ったのか。

 チーム関係者も認めているように、これまで日本人選手がいなかったということ、初めての日本人選手が偉大なイチローだったということも獲得の大きな理由の一つだ。わずか3年前に新球場がオープンしたにもかかわらず、去年の1試合平均観客数は約2万1000人でメジャーワースト4位。イチロー獲得はチームのマーケティング戦略の一つであることは明らかだ。

 しかしイチローがチームに必要不可欠な戦力であることは昨年のマーリンズの戦いぶりを見れば理解できる。マーリンズは昨年、メジャーワースト4位の58盗塁、盗塁企図数はワースト2位の79回に終わった。しかしこのオフには昨季のナ・リーグ盗塁王ゴードンをトレードで獲得するなど、機動力野球を前面に押し出そうとしている。

 そこでイチローの脚力にも目をつけたとみられる。昨年のイチローは限られたプレー機会のなか、40歳にして15盗塁をマーク。内野安打の数はジーターに次ぐチーム2位と、依然その脚力は衰えを知らない。マーリンズとしては、必ずしも常時出場させる選手としてイチローを獲得した訳ではないものの、イチローの足を必要とする場面が出て来ることを想定している可能性は高い。


◆ 球団史上3度目の奇跡へ 宿敵ナショナルズへの切り札として…?

 もう一つの理由として同地区ライバルのナショナルズ対策が挙げられる。マーリンズは昨季ナショナルズに対し、6勝13敗と大きく負け越した。対戦成績が正反対の13勝6敗だったと仮定すれば、地区優勝を果たしたナショナルズとは5ゲーム差となる。12年ぶりのプレーオフ進出のためには昨季苦手としたナショナルズを叩く必要があるのだ。では、なぜイチローなのか。

 前述したイチローの脚力も当然理由の一つである。ナショナルズのバッテリーは昨季、盗塁阻止率が37.5%とメジャー最高を誇った(許した盗塁数はカージナルスに次いで2番目に少なかった)。メジャートップの防御率を記録したナショナルズ投手陣を崩すには、足を絡めて揺さぶろうと考えるのは至極当然である。

 そして注目したいのがナショナルズ投手陣の顔ぶれだ。剛腕ストラスバーグや3年連続2桁勝利のジマーマンなどイチローが対戦したことがない投手も多くいる。しかしア・リーグ時代に数多く対戦した投手が多いのも特徴だ。先発の一角、左腕ジオ・ゴンザレスは2008年から11年までアスレチックスでプレーし、マリナーズ時代のイチローと対戦する機会も多かった。最近3年間は顔を合わせていないが、通算33打数11安打(打率.333)とよく打っている。ちなみにイチローがメジャー通算2000安打を放った相手もゴンザレスだった。

 他に、投手史上2番目の高額契約でナショナルズに加入したシャーザーには過去3年で6打数3安打。リリーフ左腕ソーントンにも過去3年で6打数3安打と、少ない打数ながら結果を残している。さらに昨年ナショナルズで64試合に登板したブレビンスには通算17打数7安打(打率.412)とイチローが結果を残している投手が多い。

 マーリンズとしてはイチローの脚力とともに昨季大きく負け越したナショナルズの主力投手との対戦が豊富だということもイチロー獲得の理由の一つだったのだろう。あくまでも4番手の外野手であることにかわりはないが、イチロー獲得にはファンへのメッセージが込められているのかもしれない。もしイチローが球団の期待通りの活躍を見せれば、球団史上3度目の“奇跡”も決して夢物語ではない。

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  • この記事笑える。「仮にナショナルズ戦6勝13敗が13勝6敗になれば5ゲーム差になる」って、文字通り逆立ちしても勝てへんってことやんけ。プレーオフ進出云々の行で書くことじゃない。
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