いよいよ開幕! 2015年F1の注目ポイントは?

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2015年03月13日 09:50  AUTOSPORT web

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いよいよ開幕を迎える2015年のF1
2015年のF1世界選手権が、いよいよ開幕する。今年は、昨年までの19戦に加えて、1992年以来の開催となるメキシコGPが加わり、全20戦。世界最速の称号をかけ、20人のドライバーが争うことになる。

 では、今季のF1の注目ポイントは? ここでまとめておこう。

1.マクラーレン・ホンダが復活!

 ホンダがF1の世界に帰ってくる。それだけでも我々日本人にとっては嬉しいところだが、今回はそのパートナーとなるチームが凄い。1988年〜1992年に最強のコンビを誇った、マクラーレンとのジョイントが復活するのである。“新生マクラーレン・ホンダ”の始動である。

 しかしこのマクラーレン・ホンダ、オフシーズンのテストではトラブル続きで、満足いく周回数をこなすことができなかったのは、既報の通り。予定の50%しか、プログラムをこなせなかったと言われている。実に心配なところである。

 他のパワーユニットメーカーよりも1年遅れて、現行レギュレーション下で行われるF1に参入するホンダ。たしかに時間的な不利は否めない。ホンダはパワーユニットの信頼性が完璧でないことを、マクラーレンも開発が遅れていることを認めており、開幕戦では非常に厳しい戦いになる可能性は高い。しかし、マシンのリヤエンドは非常に細くコンパクトにできており、内包されるパワーユニットも非常に“攻めた”レイアウトになっているという。これにはチームもホンダも自信を持っており、そのポテンシャルは低くないと言う。シーズン当初は苦戦したとしても、ヨーロッパラウンド以降は、決勝順位にも期待できるようになるだろう。

 ドライバーはフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトン。共にチャンピオン経験者であり、このコンビは全チーム中最強と言っても過言ではない。残念ながらアロンソはテスト中の事故の影響で開幕戦を欠場するが、ふたりのトップドライバーの牽引力にも注目したい。

 なお、バトンはホンダとの仕事は長く、奥様も日本人。アロンソも日本の侍やフィギュアといった文化をこよなく愛する……つまり全チーム中、日本とのかかわりが最も強いふたりと言っても過言ではない。

2.今季もメルセデスが強いのか?

 昨年、圧倒的な強さでシーズンを席巻したメルセデスAMG。今季もその強さは続いていそうだ。オフシーズンテスト初日から、ライバルたちの倍にあたる距離を走行してみせ、速さと共に高い信頼性も併せ持っていることを知らしめた。昨年のメルセデスAMGの弱点は、その信頼性。今年はそのウィークポイントを、補ってあまりある進化を遂げていそうだ。陣営の表情には、余裕すら感じられる。

 メルセデスの対抗馬として挙げられるのは、今年もやはりウイリアムズか? 昨年に続きメルセデス製のパワーユニットを搭載。こちらも弱点であったダウンフォースの少なさを補ってきたという。フェリペ・マッサが久々の勝利を手にすることができるか? そして昨年大躍進を遂げたバルテリ・ボッタスの初優勝は? 今季もウイリアムズに大注目である。

3.ベッテル不在のレッドブルは?

 2010年〜2013年の4年連続でチャンピオンに輝いたレッドブルも、当然注目。リヤサスペンションのプルロッドの車体側の接点を、思い切り前方に持ってくるなど、他とは違うアプローチが印象的だ。ルノーのパワーユニットも、性能・信頼性ともに確実に向上しているはず。ドライバーは昨年初優勝を含む3勝を挙げたダニエル・リカルドと、ロシアの新生ダニール・クビアトという若いふたり。4タイムズチャンピオンのセバスチャン・ベッテルがいない今、リカルドがチームを引っ張っていくことができるのか? 若いふたりの開発能力にも注目である。

4.こちらもチャンピオンコンビ。フェラーリ復活なるか?

 昨年、1993年以来となる未勝利シーズンを過ごしてしまったフェラーリ。彼らのマシンはタイヤに厳しいという特性があり、それが大きく足を引っ張っていた。しかし今年のピレリタイヤは耐久性が向上していて、これがフェラーリには有利に働くはず。事実、オフシーズンテストでの動きもまずまずで、ライバルたちも警戒の視線を向ける。

 ドライバーは、レッドブルから移籍のベッテルと、残留のキミ・ライコネン。マクラーレンと共に、チャンピオンドライバーふたりを揃えることになった。昨年のマシンはライコネンには合わなかったようだが、今年のSF15-Tはどうもしっくりいっているようで、テスト中の表情も明るかったという。ベッテルもフェラーリでの仕事を楽しんでいるようで、今季がフェラーリ復活のシーズンとなる可能性は高い。不安要素は“お家騒動”。昨年多くのチームスタッフが退陣し、メンバーが一新されたフェラーリ。この改革が吉と出るか凶と出るのか……。

5.その他の注目チームは?

 前述以外のチームで注目なのはロータス。昨年はルノー製パワーユニットの出来に苦労したが、今年はメルセデス製パワーユニットに換装し、上位進出を目指す。チーフエンジニアに昇格した、小松礼雄氏の手腕にも注目である。

 予想以上にテストで好調だったのがザウバー。昨年のグレーベースのカラーリングから、青と黄色という非常に派手なカラーリングとなったザウバーのマシンは、テストで順調に周回数をこなしていた。このマシンに乗るのは、昨年はケータハムで小林可夢偉のチームメイトを務めていたマーカス・エリクソンと、GP2から昇格してきたフェリペ・ナスルのふたり。戦列をかきまわす存在となることができるか?

 テストに新車を登場させるのが遅れたフォースインディアは、苦戦しそうな状況。テストでのペースを見ても、上位とは差があるようだ。しかし、フォースインディアはここ数年、予選では後方に沈んでも、決勝では他チームとは違った作戦を成功させ、時折上位を脅かしてきた。ドライバーもしぶといニコ・ヒュルケンベルグとセルジオ・ペレス。ペースが遅くとも、侮るわけにはいかない。

 まったく分からないのがマノーだ。マルシャの破綻により、当初は参戦は不可能と言われていたものの、開幕直前になって出走が確定し、チーム名称も“マノー”となった。ドライバーはロベルト・メリとウィル・スティーブンスという、昨年ケータハムのマシンを駆ったコンビ。マシンも未知数ながらドライバーの才能もまだまだ未知数である。

6.史上最年少。マックス・フェルスタッペンがデビュー

 もうひとつ、注目のチームがある。それはトロロッソだ。トロロッソは今年、WRC王者カルロス・サインツの息子、カルロス・サインツJr.と、元F1ドライバーであるヨス・フェルスタッペンの息子、マックス・フェルスタッペンという、非常に若いふたりを起用する。サインツJr.は20歳、フェルスタッペンにいたっては、なんと17歳である。

 これまでの最年少F1ドライバーは、ハイメ・アルグエルスアリの19歳と125日。フェルスタッペンは、なんとこれまでの記録を、600日以上も更新してしまう、圧倒的な若さということになる。

 快挙と言えば快挙だが、関係者の中には「F1デビューするには早すぎる!」として批判的な意見も多い。事実F1出場のために必要なスーパーライセンスの発給条件が改められたため、今後17歳のF1ドライバーが誕生する可能性はきわめて低くなってしまった。

 そんな批判的意見を見返すにためには、フェルスタッペンは結果を残す以外にない。17歳のF1ドライバーがどんな走りを見せるのか、開幕戦オーストラリアGPから目が離せない。なお、最年少入賞記録は、昨年のオーストラリアGPでダニール・クビアトが記録した19歳と324歳。この記録の、大幅な更新もかかっている。

 様々な注目ポイントがちりばめられている今年のF1世界選手権。いよいよ3月13日(金)に開幕する。新時代のF1、そして新生マクラーレン・ホンダから、目が離せない。

このニュースに関するつぶやき

  • 今一番注目はザウバーのドライバー 今後色々な裁判起きるのか チームが生き残れるのか
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