シーズン換算で驚異の161盗塁!  積極果敢な機動力野球が楽天を変える

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2015年04月28日 16:40  ベースボールキング

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シーズン200盗塁を目標にしている楽天の大久保博元監督©BASEBALLKING
◆ 新加入の外国人選手がことごとく不発

 2013年の日本一から一転、昨季は最下位に沈んだ楽天。今季もここまで10勝11敗2分と黒星が先行している(4月26日終了時点)。深刻なのは得点力不足だ。昨季の楽天は本塁打、得点ともにリーグ最低に終わった。しかも、チームの78本塁打のうち24本を記録したジョーンズは退団。日本人選手に長距離砲がいない現状では、長打は新加入の外国人に頼るしかない。

 しかし、ペーニャはここまで本塁打0。サンチェスは3本、ウィーラーは1本と本塁打こそマークしているものの、それぞれ打率1割台と期待を裏切っている。チームの順位は4位と踏ん張っているが、得点はやはり最下位だ。



◆ 心配された盗塁成功率もリーグ平均以上

 ただ、今季の楽天は昨季と違う一面を見せている。積極果敢な盗塁である。大久保博元新監督は今季の目標の一つに「200盗塁」を挙げた。スモールベースボールを良しとする傾向にある日本では、新監督着任の際、目指す野球として「機動力野球」を掲げることは少なくない。ただ、それを実際に行うのはなかなか難しい。盗塁に失敗すれば、アウトを相手に無条件であげてしまうリスクがあるからだ。

 ちなみに、直近に200盗塁を達成したのは1997年の西武だが、それ以前となると1983年の阪急にまでさかのぼる。クイックモーションなど盗塁阻止技術が向上した現代野球において200盗塁という数字は非現実的な目標ともいえるが、宣言通り、今季の楽天選手は失敗を恐れずダイヤモンドを駆け巡っている。これまで記録した26盗塁は12球団トップ。

 シーズン143試合に換算すると年間161個のハイペースだ。このままのペースでは残念ながら200には届かないものの、昨季、リーグ最多だった日本ハムの134盗塁をはるかに上回ることとなる。昨季のチーム盗塁数64がロッテと並びリーグワーストタイだったことを思えば、これは非常に大きな変化である。

 開幕前、大久保監督は「350から400は盗塁企図する」とぶち上げ、成功率を心配する声も多かった。しかし、ここまでの成功率は72%であり、昨季のリーグ平均68%を上回っている。惜しむらくは、現状では得点にそれほどつながっていない点ではあるが、長距離打者がいない代わりに巧打者がそろうチームに盗塁という戦術が浸透すれば、いずれは得点力を上げていくはずである。

 そして、何よりも「非力な現有戦力でもなんとか突破口を見いだそう」という姿勢には心を躍らせられる。長打、連打がなければ走ればいい——新生・楽天のアグレッシブな戦術が花開くときがきっとくるだろう。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

このニュースに関するつぶやき

  • この時期だと、シーズン換算で120本くらいホームラン打つ奴は、結構いるよね(´・ω・`)b←
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