「会社員前提」の壁、乗り越えるための繋がりを求めて【フリーランスの光と影・3】

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2017年02月13日 09:23  弁護士ドットコム

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政府が「時間・場所・契約にとらわれない柔軟な働き方」と期待を寄せるフリーランス。DeNAのWELQ問題で明るみになった課題もある中で、フリーランスで働く、あるいは働きたい当事者たちは、新たな繋がりをつくろうと動き出している。(ライター・タキガワマイコ)


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●少子高齢社会の救世主?

「『兼業・副業』や『フリーランサー』のような『時間・場所・契約にとらわれない柔軟な働き方』は、働き方改革の『鍵』となる」


昨年11月、経済産業省はフリーランスワーカーを研究する「雇用関係によらない働き方研究会」を立ち上げた。経産省が作成した第1回資料の冒頭には、世耕弘成経産相の言葉が赤枠に囲まれ意気揚々と記されている。世界最速の少子高齢化が進み、働き手の減少に悩む日本。経済政策を担う省庁での研究会立ち上げは、「フリーランサー」への政府の期待を伺わせる。


経産省の担当者は「単純にフリーランスの労働者を増やしたいわけではない」と説明するが、研究会出席者にはクラウドソーシング大手ランサーズやクラウドワークス、総合職経験の女性向け仕事紹介のWarisなど、当然推進派であるフリーランス仲介ビジネス関係者が名を連ねた。


国が注目するのにも理由がある。今の日本社会は介護離職者が年間10万人、出産で仕事を辞める女性が就業女性全体の6割。国立社会保障人口問題研究所の調査では、20年後には生産年齢人口(15〜64歳)が2013年比で1000万人減少するとの推計もある。すでに4人に1人が65歳以上の国で「残業ありフルタイム」ができない人を、無職者にする余裕はどこにもない。


これに対し、ランサーズが2016年に公開した資料によると、副業や兼業も含めたフリーランスは昨年で1064万人、前年比で17%も上昇したという。時間や場所に囚われないフリーランスの働き方が選択肢として確立されれば、働き手にとっても経済政策や社会保障制度の面からも、願ってもない話だ。


●やむにやまれない理由でフリーランスになる人々

ただし、企業関係者や官僚ばかりが集まる会議に、フリーランスで働く当事者からの期待は薄い。「日本政府に期待などない。日本以外に住んでも食っていけるように、フリーで働いている」と、ウェブクリエイターの男性(34)はいう。 「フリーじゃない人たちばかりで話して何がわかるんだろう」。フリーランサー当事者の代表としてこの研究会に出席したデザイナーの森脇碌さん(34)も、違和感を覚えた。


「実際のフリーランスの多くは、もっと切実です」と、森脇さんはいう。会社員を経て経営者として昼も夜もなく一家の大黒柱として働いていたが、4年前、長男が国の指定難病の診断を受けたのをきっかけに退職した。「家にいても稼げるのはこれだ」と、すがる思いでクラウド・ソーシングを入り口にウェブデザイナーの仕事を始めた。今でこそ並みの会社員以上の月収があるが、当初は月収数万円だった。


森脇さんの周囲でフリーランスを選んだ人たちは、子供や配偶者の病気で外勤ができない、保育園に落ちた、シングルマザー、自身の体調、家族の転勤など、やむにやまれない理由で追い込まれた人ばかりだ。産後休暇も育児休業も有休もない中を働いている。


経産省の研究会資料でも「個人請負では働く人の約8割が業務委託契約(先)から福利厚生を受けていない。個人請負に何らかの社会保険に加入させている企業は5.8%」との厳しい実態が指摘されている。稼ぎが追い付かず、国民年金や国民健康保険にすら加入できないフリーランサーも珍しくない。そもそも、日本における労働法は、歴史的に「雇用されている人」を前提にしており、自営業者であるフリーランサーは蚊帳の外だ。下手をすると、フリーランスは「もっとも悲惨な非正規労働者」になってしまう。


時間と場所にとらわれない働き方として、フリーランスがフルタイムの会社員にはない可能性を秘めていることは間違いない。IT環境の整備で、会社に雇われる以外の働き方が、さらに身近になっていくのも確実だ。日本においてまだまだ未整備のフリーランサーの道を、どう切り開き、ならしていけばいいのだろうか。


●ゆるやかな繋がり 

「自分は規格外なんだなあ」


PRプランナーの平田麻莉さんは、PR会社の立ち上げや大学院生などを経て6年間、フリーランスで働きながら、幾度もそう感じてきた。柔軟な働き方を気に入る一方で、2人の子供の保育園を探す「保活」や子育てをする中でも、行政や国の制度がことごとく「会社員」前提なのだ。


自治体によっては、自営業者は保育の必要性が低く評価されたり、学童保育に提出する資料がそろわなかったり、周囲のフリーランス仲間もいちいち「壁」にぶつかっている。 


そんな平田さんが周囲のフリーランサーや、PR担当としての人脈をたぐり賛同企業を集めて1月に立ち上げたのが「フリーランス協会」だ。フリーランス向けに保険や人間ドックなどの福利厚生をつくるほか、協力し合えるネットワークを築くことが目的だ。経産省とも連携して、公的制度や法整備の働きかけも進めていくという。


経産省の研究会に出席していたデザイナーの森脇さんも、一昨年にフリーランスで働く母親たちの相互協力を目的とする団体「mamimu」を立ち上げた。相互協力や情報交換の場を求めているフリーランサーに何人も出会ったことがきっかけだった。「地方にこそフリーランスを」と、昨年から和歌山のフリーランス団体と連携するなど、全国につながりを広げ始めている。


(「「会社勤めはイヤ」自由な働き方の裏側にある厳しい現実【フリーランスの光と影・1】」はこちら https://www.bengo4.com/c_5/c_1629/n_5696/)。


(「まるで「道具扱い」、買い叩かれるクラウドワーカー【フリーランスの光と影・2】」はこちら https://www.bengo4.com/c_5/c_1629/n_5697/)。


(弁護士ドットコムニュース)


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  • 自営業や個人事業主でなく、フリーランスなんてカタカナ表記するあたりでああまたか…って思うよ。フリーなのは、契約しない自由などを持つ依頼する側なんだよな。
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