埼玉西武・平良海馬「身長や体重に関係なく活躍できるのが野球の魅力」|小さなプロ野球選手の履歴書

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2023年02月10日 19:44  ベースボールキング

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プロ野球の世界では小柄と言われる170cm前後の身長ながら、チームの主力として活躍する選手たちがいる。彼等はどんな野球少年だったのだろうか? 身長の低さで悩み、壁にぶつかったことはなかったのだろうか?
プロを目指す選手の夢に繋がる、8選手の野球ヒストリーに迫った書籍『小さなプロ野球選手の履歴書』(カンゼン)が2月9日に発売されました。この本の中から、埼玉西武ライオンズの平良海馬投手(173cm)の章の一部を紹介します。



背が伸びなければ体重を増やす
173センチは、プロの右投手で見たら、平均身長より低いと思います。
でも、今まで野球をやってきた中で、自分の身長を気にしたことはありません。野球ができて、試合で活躍できることが楽しかったので、そういうこと自体、考えたことがありませんでした。
小学生のときの身長は、背の順では真ん中から少し後ろぐらい。中学1年生のはじめで、150センチぐらいだったと思います。中学を卒業するときが、170センチに届くかどうか。全然、大きくはないですよね。

「背がもう伸びないのであれば、体重を増やせばいい」
そう思っていたところはあります。もともと、子どもの頃からがっちりした体型だったんですけど、高校に入ってから、食事とウエイトトレーニングで体重を増やすことに力を入れました。
頭にあったのは、「速さ×重さ=パワー」。この考えがあったので、身長を気にせずにプレーできたのかもしれません。

野球で遊んでいた小学生時代
小学生時代にプレーした「真喜良サンウェーブ」は、自由なチームだったこともあって、野球を“やらされている感”はまったくなかったです。一応、集合時間が決まっているんですが、その時間に遅れても怒られることはなくて、友達と遊ぶ日があれば、そっちを優先しても構わない。そんなチームだったので、友達の家でゲームをしてから、練習に行ったこともあります。

小学生のときは、ピッチャーではなくキャッチャー。がっちりしたタイプで、どちらかと言えば、太り気味の体型です。周りよりもご飯をよく食べていて、パワーもあったほうだと思います。
肩の強さには、少しだけ自信がありました。学校のソフトボール投げでは、65メートルの記録で1位。それでも、石垣島にはもっとすごい子がたくさんいて、85メートルぐらい投げている子もいたので、「自分が一番うまい」と思ったことは一度もありません。

中学時代にキャッチャーからピッチャーに転向
詳しい時期は覚えていないですが、3年生になる頃に、本格的にピッチャーをやるようになりました。キャッチャーでの二塁送球で、結構いいボールを放っていたこともあって、「球が速そうだから、ピッチャーをやってみろ」と監督に言われたことがきっかけです。球速は、3年生のときに130キロぐらいだったと思います。遅くもないけど、めちゃくちゃ速いわけでもありません。

もし、あのままキャッチャーをやっていたら、プロに行くのは難しかったと思います。ピッチャーは「球速」というわかりやすい指標がありますが、野手の場合はそういった数字がなかなかありません。個人的には、スカウトの目に留まりやすいのはピッチャーなのかなと思います。ぼくの場合は、150キロを出したことで、スカウトに注目してもらえたところがあります。

子どものうちに可能性を狭めないでほしい
野球というスポーツの魅力は、身長や体重に関係なく、いろいろなポジションで活躍できることです。

ピッチャーは背が高くて細身で、手足が長い体型が好まれやすいですけど、ぼくのような体型のピッチャーもいます。だから、「背が小さいから、ピッチャーは難しい」と決めつけることだけはしてほしくありません。特に、小学生や中学生のうちはいろいろなポジションを経験して、選手としての可能性を広げてほしい。

身長が止まってしまったのなら、食事やトレーニングで筋量を上げていくのもひとつの方法です。ただ、ぼくの場合は体重が増えたことがパフォーマンスアップにつながりましたが、それが合わない選手もいるはずです。いろいろなことを試してみて、自分に何が合うかを見極めてほしいと思います。

*平良選手のインタビュー完全版は書籍でお楽しみ頂けます。

『小さなプロ野球選手の履歴書』(2/9発売)


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【編者】ヤキュイク編集部
「野球を通した教育」がテーマの全国の野球少年保護者、指導者向け情報サイト。
大人はどのように子どもをサポートするべきか? 子どもの成長を引き出すためにどう関わるべきか? 保護者、指導者に役立つニュース、コラムを無料配信しているほか、小学生を対象に「ライフスキル」と「野球技術向上」をテーマにしたキャンプを、プロ野球球団と共に毎年実施している。
https://baseballking.jp/yakyuiku

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