パリ・サンジェルマン(PSG)に所属しているフランス代表FWキリアン・エンバペは、今夏に同クラブを離れることを決断したようだ。15日、フランス紙『レキップ』やイギリスメディア『BBC』など複数のメディアが伝えている。
現在25歳のエンバペはモナコで頭角を表すと、1シーズンのレンタル加入を経て2018年夏にPSGに完全移籍。ここまで公式戦通算290試合の出場で243ゴール105アシストを記録するなど、同クラブの中心選手として活躍している。2022年夏にはフリートランスファーでレアル・マドリードに加入することが決定的とされていたが一転、同選手はPSGと超大型契約を結び、“白い巨人”への移籍は破断に終わっていた。
しかし、当初2025年6月30日までと見られていた新契約は、2024年までの2年間+1年間の延長オプションであったことが判明したほか、契約延長オプション行使の権利はエンバペ側にあったものの、期限となっていた2023年7月31日前からクラブに対し、契約延長オプションを行使しない意向であることを表明。これを受け、PSGは2024年夏のフリー退団を避けるために2023年夏の移籍市場での売却に動き、日本や韓国で行われたプレシーズンツアーのメンバーから同選手を外していた。
その後、アル・ヒラル(サウジアラビア)から推定3億ユーロ(約484億円)の巨額オファーが提示されたものの、選手本人が中東行きを拒否したため、移籍は実現せず。最終的にはクラブとの話し合いを経てトレーニングに復帰し、今シーズンはここまで公式戦30試合で31ゴール7アシストを記録する活躍を見せている。
それでも、現行契約が2024年6月30日に満了を迎えることから、再びフリーとなるエンバペの去就には注目が集まっている。そんななか、今回の一斉報道によると、エンバペは今夏にPSGを離れることを決断した模様で、すでにナセル・アル・ケライフィ会長らPSGの首脳陣に退団の意向を伝えたことが報じられている。
現時点では退団の条件などはまだ完全に合意には至っていない模様だが、エンバペがロイヤリティボーナスを受け取らない方針などで今後数カ月以内に合意すると見られており、まとまり次第正式に発表される見込みとなっている。
なお、エンバペの新天地についてはかねてより相思相愛とされているレアル・マドリードが最有力候補に挙げられている。しかし、移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏によると、現在レアル・マドリードが提示している給与は2022年夏に提示されたものよりもはるかに低く、現在の給与よりも低いものとなっているが、レアル・マドリードとしては自分たちの条件でエンバペが加入することを望んでいることを伝えている。
また、イギリスメディア『スカイスポーツ』ではスペインサッカー専門家のアルバロ・モンテーロ氏が「クラブ内の誰もが彼がレアル・マドリードでプレーすると信じている」とエンバペが加入することを楽観視されていることを強調しながら、提示されている給与についても次のような見解を明かした。
「レアル・マドリードで最も稼いでいる選手は年俸2400万ユーロ(約39億円)だ。報道によると、レアル・マドリードは税引後2500万ユーロ(約40億円)を提示すると見られているので、税引前では5000万ユーロ(約81億円)ほどになるだろう」
近年毎シーズンのように去就に注目が集まっていたエンバペは、ついにPSG退団を決断したようだが、果たして来シーズンはレアル・マドリードでプレーすることになるのだろうか。