母はとても手先が器用な人で、毎日腰まである髪の毛を綺麗に結い、アップにしてくれました。
私は友達や近所の人にも「かわいい」「お姫様みたい!」と、母も一緒に褒められているようで、とても嬉しく誇りに思っていました。しかし……
高学年になってから担任の先生に髪を短く切るように言われてしまったのです。
家に帰り母に相談すると、髪はしっかりまとめ衛生に配慮すると言ってくれました。しかし、次の水泳の授業では……。
担任の先生は私を「おい! ハル」と怒鳴るように呼び止めました。そして、「お前はプールに入れないよ!」と、言いました。
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高学年になるまで水泳の授業で「髪の毛を切れ」と言われたことはありません。けれど高学年になり、新しい担任の先生から「プールがあるのだから髪の毛を切れ」と言われるようになったのです。どんなにきっちりお団子にして行ってもダメで、挙句の果てにはプールにも入らせてくれません。
まさか今まで誇りに思っていた自分の髪の毛で、こんな思いをするとは思いませんでした。ポニーテールにしてお団子にしても、水泳帽子の中にきちんと髪の毛をいれているのに。私はひどく落ち込んだことを、今でも覚えています。
【中編】へ続く。
原案・編集部 脚本・物江窓香 作画・Ponko 編集・横内みか
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