「1年前の梨」がシャッキシャキ!漬けるだけで「硬い皮」がツルっとむける!驚きの野菜・果物革命【THE TIME,】

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2024年10月08日 12:01  TBS NEWS DIG

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驚異の長期保存ができる「冷凍でも冷蔵でもない第3の保存方法」や、「フルーツの皮を一瞬でむけちゃう」ものまで!近い将来“食卓革命”を起こしそうな驚きの新技術が登場しています。

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「茶色の粉」で果物の皮がツルっとむける

フルーツは好きだけど、むくのが手間…という人も多いのでは?
今では簡単に食べられる「カットフルーツ」が人気ですが、今後は安くなるかもしれません!

「あるものを使うと果物があっという間にツルンとキレイにむけるんです」と話すのは、日刊紙『日本農業新聞』の報道部次長、石原邦子さん。
“一瞬でフルーツの皮がむける”技術が長野県で開発されたといいます。

皮むきに使うのは、一見きな粉のような「薄茶色の粉」。

『長野県農村工業研究所』上席研究員・滝沢 潤さん:
「この粉は、酵素。人間の体の中にも唾液にも含まれていて、動物や植物色んな物に含まれている物質です」

体内で食べ物の分解を助けてくれる酵素。味噌など発酵食品や、消化を助ける大根おろしなど様々に利用されてきました。スーパーなどにあるお団子も、酵素を入れているので硬くならないんです。

その酵素のパワーで、“果物の皮がいとも簡単にむける”とのことですが、手順はいたってシンプル。
〔1〕酵素の粉を水に溶かして「酵素液」を作る
〔2〕酵素液に皮に切り込みをいれたフルーツを漬ける
〔3〕浸透しやすくなるよう、真空状態にして約5分待つ

試しに皮の厚いグレープフルーツを液に漬けて5分、取り出してみると…

SBC信州放送 久野大地アナ:
「持った感じが全然違います。皮が柔らかくなってます。うわ〜!プチプチとはがれるように皮がむけます。めちゃくちゃ気持ちいい!」

指でちょっと押すだけでへこむほど柔らかくなった皮がツルっとむけちゃう!中の白いわたもきれいに消えて、プリプリの果肉だけの姿になりました!

『長野県農村工業研究所』滝沢さん:
「果実の皮と身の間にあるペクチンなどの部分を溶かすことによって、むけやすくしている」

食べてみるとまたビックリ!果汁たっぷりで、グレープフルーツのプチプチ粒感がしっかり。薬品の香りや苦みも一切なし!そこが酵素の良さの1つなんです。

すでにフルールサンド業界からの問い合わせも増えているといいますが、柑橘系以外のフルーツは開発までに要した時間が10年!
苦戦したのは皮が水をはじくブドウやモモで、フルーツごとに酵素の濃度を少しずつ変えて実験を繰り返し、今ではトマトやキュウリなどの野菜まで酵素で皮をむくことに成功!2024年1月には特許も取得しました。

いち早く、カットフルーツにこの技術を取り入れた企業は「生産効率が上がると価格を抑えられる可能性も出てくる」(アイバイオプロダクツ・福村修一社長)と話していて、近い将来、カットフルーツが安くなるかもしれません。

4か月たったレタスも新鮮!長期保存できるワケは?

さらに、高騰する野菜などを長持ちさせる世界初の技術も登場!

『日本農業新聞』石原さん:
「冷蔵庫でもなく、冷凍庫でもない第3の世界初の保存技術。中々日持ちしないような野菜でも半年ぐらい持っちゃう」

その名も「ZEROCO(ゼロコ)」。一見すると冷蔵倉庫のようですが、庫内は温度0℃、湿度100%弱をキープ。ただ、湿度100%近くなのに結露や霜も水滴もなく、乾燥している感じです。

これは、温度が低いほど空気が含むことができる水蒸気量が減るため、0℃では少ない水分で100%に近づくという原理ですが、この状態を作るのが革新的な技術なんです。

庫内には、約1か月保存されていたレタスがありましたが…

THE TIME,マーケティング部 西堀 文部員:
「え、スゴイ!全然変な色もない!」

『ZEROCO』楠本修二郎社長:
「レタスはだいたい4か月くらい、新鮮状態がキープできる」

さらには、約1年2か月前から保存している梨も、まったく傷んでいません!

なぜ驚異の長期保存が可能なのでしょうか…?

一般的な冷凍庫は約マイナス18℃で、湿度60%。食材を冷凍すると、含まれる水分が凍って膨張し、細胞を壊してしまいます。
しかしZEROCOは、ギリギリ凍らない0℃に保ち、細胞を傷つけません。さらに湿度を高め、乾燥・酸化も防ぐ技術で長期保存を可能にしているのです。

北国に伝わる「雪の下で野菜を保管する手法」を元に考え出されたZEROCO。鮮度をキープするだけでなく、「美味しくする」のも大きな特徴だといいます。

約1か月保存したレタスを実際に食べさせてもらうと、シャッキシャキ!

西堀部員:
「みずみずしいです。しかも噛めば噛むほど甘い!」

約2か月保存のアボカドやパプリカ、約7か月保存のキャベツやニンジンなども新鮮そのもの。このように食材を新鮮なまま長期保存できれば、不作や不漁の時でも供給でき、価格の安定につながります。

『ZEROCO』楠本社長:
「生産者さんが大量にとれた時に、価格を維持するために廃棄しなきゃいけない。これは本当にもったいないことだと思いますから」

コンテナ型のZEROCOを作り日本の食材を海外に輸出する計画もあり、実現すれば大量廃棄が問題になっている牛乳も輸出可能に!さらに最終的には一般家庭で使えることが目標とのことです。

長期保存した梨の味は?

スタジオではTHE TIME,10月レギュラーの菊池桃子さんが、「ZEROCO」で保存した梨を試食した。
普段食べている梨よりも「甘味が強くて美味しい」とほおばったが、この梨が約1年2か月前のものと聞くと「ええええ!信じられないっ!」と驚きの絶叫。

食品ロスには日々頭を悩ませていると話し「早く自宅にZEROCOが欲しい」と熱望した。

また、安住紳一郎アナは保存する時の包装にも着目。普通の食品保存袋で長期保存が可能なので、「強烈なラップとか真空とかしないので包装素材を減らす観点でもよさそう」と話した。

(THE TIME,2024年10月7日放送より)

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