画像提供:マイナビニュース● フェラーリといえば誰もが認めるスポーツカーの名門ですが、中古車サイトを検索すると、意外にも割安な中古フェラーリがすぐに見つかります。ところが、先日の「スーパーカーオークション」に出品されていたこちらのフェラーリ「512 BB」は、中古車サイトでは出回っていない特別な個体だといいます。いったい何が特別なのでしょうか?
ヒント:由緒正しいフェラーリ!?
512 BBは、1976年から1984年にかけて929台が生産されたスーパーカーです。本稿執筆時点で中古車サイトを検索すると5台の512 BBを見つけることができましたが、いずれも「応談」となっていて価格は不明。レアなモデルであることは間違いないようです。
しかし、オークションに出品されたこの512 BBは、さらに特別な個体のようです。何が特別なのでしょうか? 自動車ライターの室井大和さんに聞きました! 次ページで教えていただきます。
――正解は次のページで!● ○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】クラシケ認定の由緒正しい個体
正解は「クラシケ認定の由緒正しい個体」であるということです。
「クラシケ」(CLASSICHE)とはフェラーリ社が新車から20年以上経過している市販車や限定車などに対して与える車両認定証明書のこと。この512 BBにはクラシケ認定書が付いています。つまり、フェラーリ社が認めた「由緒正しい個体」というわけです。
クラシケの認定を受けるためにはフェラーリの正規ディーラーに申請する必要があります。許可が下りれば、イタリアのフェラーリ本社で修復や整備などが行われます。フェラーリが認めた特別な個体というお墨付きにより、クルマとしての価値が下がりにくくなるというメリットがあります。
クラシケの認定を受けた個体は、そうでない同型車の個体と比べて市場価値が非常に高くなる傾向にあります。クラシケを見ると、この個体は1981年5月、イタリア ミラノのM.G.クレパルディ・アウトモビリs.a.aに納車されたようです。クラシケの認定書があれば、詳しい軌跡を辿ることも可能になるわけです。
鮮やかな「ロッソコルサ」の外装に「ペッレベージュ」といわれるベージュ革の内装は納車当時のまま手が加えられておらず、非常に価値のある「特別なフェラーリ」といえるでしょう。
ちなみに、ここで紹介した個体は、オークションではおよそ4,000万円後半から6,000万円前後で取り引きされているようです。
以上、室井大和さんの解説でした。それでは、次回をお楽しみに!
室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。 この著者の記事一覧はこちら(室井大和)