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北海道知事と道議会議長が、2022年に東京都千代田区の日本武道館で営まれた安倍晋三元首相の国葬に出席するために公費を支出したのは違法だとして、道内の住民らが2人に費用計約44万円を返還させるよう道知事に求めた訴訟の判決で、札幌地裁は15日、原告の請求を棄却した。
原告側は、鈴木直道知事と小畑保則議長(当時)が公務として22年9月の国葬に出席したものの、明確な法的根拠がない国葬は違法で、交通費などの支出は違法な公費支出に当たると主張。国葬で弔意を強いるのは国民の思想や良心の自由などを保障する憲法に違反するとも訴えた。
一方の道知事側は「国葬や参列に違法性や違憲性はない」と主張していた。
判決で小野瀬昭裁判長は、国葬は内閣府設置法に基づいて開催され、「内閣の政治的な責任を通じて実施が判断されるべきだ」として違法性を否定。さらに「(国葬は)原告らの思想や信条の自由を制約するものではない」として憲法に違反しないと判断した。
その上で、知事らの参列について「国との友好、信頼関係の維持増進を図ることが目的と見られ、儀礼の範囲にとどまる」などとし、公費の支出は適法と結論づけた。
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判決後に記者会見した原告側は「行政へのチェック機能を果たさず政治の判断を追認した」などと批判し、控訴する方針を示した。
同種の訴訟はほかに全国5地裁で係争中といい、原告団として連携していくとしている。【谷口拓未】
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