橋幸夫が公表した認知症と“共生”の芸能人

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2025年05月20日 14:08  日刊スポーツ

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橋幸夫(2024年3月撮影)

歌手橋幸夫(82)が昨年末に医師から「アルツハイマー型認知症」と診断を受けたことを20日、所属する「夢グループ」石田重広社長(66)が都内の記者会見で明かした。漫画家の蛭子能収(77)が認知症を抱えつつも活動を続け、芸能界では、朝丘雪路さん、大山のぶ代さんら多くが認知症と共生してきた。公表することで、周囲の理解を得て共生がうまく進むこともある。


  ◇  ◇  ◇


▼蛭子能収 20年7月にテレビ番組の特番で、軽度の認知障害と診断された。レビー小体病とアルツハイマー型認知症の合併症であると判明も、本人は「今後の活動についてもできる限り続けていきたい」と話し、周囲もサポート。アート展や講演会などの活動を続けている。


▼朝丘雪路さん 18年4月に82歳で死去。朝丘さんが亡くなった後、同年5月に夫の津川雅彦さんが記者会見の場で「(妻は)アルツハイマー型認知症を5年間、患っていた」と告白した。朝丘さんの父は、日本画家の伊東深水さんで、父から溺愛されて育った“お嬢様キャラ”で、奔放、天然発言でも知られた。宝塚歌劇団の出身で、劇団100周年だった14年4月の創立祭典に八千草薫さん、大地真央、黒木瞳らとともに出演。爆笑トークを展開し、司会を務めていた真矢みき(当時)をあわてさせつつも、式典を盛り上げた。


▼大山のぶ代さん 15年5月に夫の砂川啓介さんがラジオ番組で、認知症を公表した。大山さんは08年に脳梗塞で倒れ、回復具合に違和感を感じていた砂川さんは、12年秋に認知症と判明したことを明かしている。その後、2人の体験をつづった著書「娘になった妻、のぶ代へ 大山のぶ代認知症介護日記」はベストセラーになった。砂川さんは17年に死去、大山さんは昨年9月に亡くなった。


▼芦屋小雁さん 18年にテレビの健康バラエティー番組で、アルツハイマー型とレビー小体病を併発している認知症と診断されたことを公表した。「裸の大将放浪記」などで知られた芦屋雁之助さんを兄に持ち、自身も喜劇役者として活躍してきた小雁さんは、今年3月下旬に91歳で亡くなったが、昨年3月にも夫人とともに全国ネットのトーク番組に出演。夫妻は、公表当時を「そんなに大ごととは考えていなかった」「周りが騒ぐので…」などと振り返り、あうんのトークを展開。14年時点で「軽度認知障害」と診断されたことも明かし、その後、症状が少しずつ進む中で、「妻の負担を少しでも減らしたい」と公表へ至った思いも吐露。公表後も「生涯現役」を公言し、テレビや映画にも出演していた。


▼レツゴー正児さん 14年に認知症を発症。以後は仕事を控えつつも、同年5月にリーダーとして率いたお笑いトリオ「レツゴー三匹」の最年少、レツゴーじゅんさんが急死すると、取材対応。思い出話にも触れつつ「(じゅんさんの)姉から訃報を聞いて、足がガクガクと震えた。ただただ信じられず、涙が止まりません」としっかりした口調で回顧した。正児さんは20年10月に80歳で亡くなった。

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